「又兵衛桜 」石垣と桃・菜の花とのコラボレーションが見事な孤高の一本桜

| 撮影:五島 健司

奈良県宇陀市本郷にある樹齢300年の枝垂桜。大坂の役で活躍した「後藤又兵衛」の伝説から「又兵衛桜」と名付けられた。全国でも最も有名な一本桜のひとつ。

「又兵衛桜 」の写真ギャラリー

又兵衛桜の概要

又兵衛桜は奈良県で一本桜が多いエリアとして知られる「宇陀市」にあります。

関西をというより日本を代表する一本桜のひとつです。推定樹齢は300年を超えると言われており、樹高は約13m、幹回りは約3mにも及ぶ巨大古木となっています。

又兵衛桜は宇陀市の大宇陀区本郷にあることから「本郷の瀧桜」とも呼ばれています。

「又兵衛桜」という名前は大阪の役で活躍した戦国武将「後藤又兵衛(後藤基次)」にちなんだものです。後藤又兵衛は「大阪城五人衆」のひとりに数えられ、豪傑な人物だったと言われています。

宇陀市には後藤又兵衛が大阪の役で敗れ、隠遁生活の後にこの地で一生を終えたということから「又兵衛桜」という名が付けられました。「又兵衛桜」があるこの地は後藤家の屋敷跡になります。

2000年にはNHK大河ドラマ「葵 徳川三代」のオープニング映像で使用されたことで一気に全国的に有名になりました。

又兵衛桜がこれほどまで全国で人気となっているのはやはり石垣とのコラボレーションがあるからでしょう。 石垣の上に立つ又兵衛桜の存在感は圧倒的で、強いエネルギーを発しているようです。その存在感がありながら、石垣の下の方まで垂れ下がる枝には女性的な美しさを感じさせます。

一度見ると記憶に残るインパクトの強い桜ですね。

又兵衛桜 撮影のポイント

・駐車場は500台を超える規模で思ったほど渋滞にはならない。

・夜明け撮影狙いの場合は、天の川撮影と重なると、夜中でも桜の前の駐車場が満車状態になる。特に土日祝日と新月期(または夜中に天の川が撮影できる条件)が重なるときは注意。

・例年の桜の見頃は4月上旬〜中旬

[レンズ]
・標準と望遠がオススメ。望遠レンズはあったほうが良い。

[装備]
・三脚、ハーフNDフィルター、レリーズ、暖かい服装(夜や早朝は寒い)

「又兵衛桜」の駐車場情報

実際に撮影に行ってみて驚いたのが「又兵衛桜」周辺の駐車場の多さです。又兵衛桜の前に巨大な駐車場があり、又兵衛桜の周辺にも幾つかの臨時駐車場が設置されています。

駐車場や道路にはガードマンがおり、交通整理をしてくれるので、昼間でもそれほど大きな渋滞にはなっていませんでした。全国的に有名な一本桜は渋滞で数時間待ちとかになったりするケースもあるので、駐車場のキャパシティの大きさに驚きました。

駐車料金はだいたい500円ほどになっています。観桜の料金はかからないので何人かで行けばとてもリーズナブルですね。※協力金は100円となっています。

ここは又兵衛桜しかなく、他に見るものはないので、観光客の回転は早いです。

ここまでは昼間の駐車場の話となります。

さて、写真愛好家としては「夜明けの又兵衛桜」「夜の天の川(星景)」狙いの人が多いですよね。夜中や朝はどのような状況になっているのかをお話ししますね。

撮影日の前日にロケハンした時は昼間でした。本番撮影の日は夜明け狙いで撮影に臨みました。

夜中3時頃に又兵衛桜前の駐車場に到着すると、駐車場はかなり満車に近い状態になっていました。

午前3時で満車状態?と驚きました。天の川撮影ブームで、天の川撮影の人もかなり多かったようです。

空が明るくなり始めると帰る人も多く、3分の1ぐらいの人が帰り、また次々と夜明け狙いのカメラマンがやってくるという感じになっていました。

それにしても、又兵衛桜の人気と天の川撮影の人の多さに驚きました!

夜明け近くなると又兵衛桜の前の駐車場は満車になる可能性が高いので、周辺の臨時駐車場に車を置いて少し歩かなければならない場合も出てくると思います。

周辺に駐車場はいくつかあるので、夜明け時に駐車場が無くて撮影できなかったというようなことにはならないと思います。

夜中、夜明け時から数百人規模の写真愛好家が並ぶので、このような場所で撮影したことが無い方は、その雰囲気に驚くと思います。撮影場所は広いので撮影場所はなんとか確保できるでしょう。(良い構図の場所が取れるとは限りませんが)

又兵衛桜の撮影現場の情報

こちらが又兵衛桜前の駐車場の入り口になります。

道路からすぐに砂利の駐車場になっており、入り口には自動販売機が設置されていました。 昼間には係りの人がおり、誘導してくれますので、指示に従って駐車場に入りましょう。

道路や駐車場からも又兵衛桜がよく見えます。

又兵衛桜に初めて行く前には、又兵衛桜の美しい写真は何度も見ていましたが、 現地ではどのような場所から撮影するのかがよく分かりませんでした。

まず、 駐車場や駐車場下の通路からどのように又兵衛桜が見えるのかをご紹介します。
全体的にはこのような感じになっています。

又兵衛桜の背後は山になっており、その山に抱かれるように又兵衛桜が美しい花を咲かせています。又兵衛桜の後ろにはピンクの桃の花が咲き乱れており、桃と桜のコラボレーションを楽しむことができるのも又兵衛桜の特徴のひとつとなっています。

又兵衛桜の前後は石垣になっており、まるで城跡に立っている桜のようです。 この空間全体が舞台のように見事です。ステージの上に立っているような孤高の一本桜は、これからも多くの人を魅了し続けるでしょう。

もう少し詳しく撮影現場を紹介します。
駐車場の車が停まっている後ろにはたくさんの三脚が一列に並びます。多いときはここだけで100本ぐらいの三脚は並んでいると思います。

なんと又兵衛桜は車の前でも撮影ができるのです。これにはちょっと驚きました。

一段下の通路も三脚がずらりと並ぶので、一番混んでいるときは300ぐらいの三脚は並んでいるのでしょう。(全部数えたわけではありませんが・・・)

この写真を撮影したのは、又兵衛桜に光が当たってしばらくした後なので、多くのカメラマンが帰った後です。

良い光の時間帯が終わると、祭りの後のように静かになります。もう少し時間が経つと、 カメラマンではなく観光客が多く訪れるようになります。

今度は撮影現場を横方向から見てみます。 下の通路より駐車場は一段高くなっており、駐車場に三脚を立てると、下の通路の人たちの頭の上から又兵衛桜を撮影できるようになっています。

通路にだけしか三脚が立てられないとカメラマンで溢れ、撮影できない人もでてくるでしょうが、駐車場との二段体制になっているので、なんとかほとんどの人が撮影できるような形になっていました。

トイレ情報

又兵衛桜を正面に見た左側、通路の奥の方に東屋とトイレがあります。撮影現場の横にトイレがあるので、撮影中にトイレに行きたくなってもすぐに行くことができて便利です。

撮影現場の左側から見た又兵衛桜です。 通路は緩いS字を書くように作られていて、 右側からと左側からでは雰囲気が少し違う感じがしました。

通路と又兵衛桜の間には小さな川が流れていました。川の写っている写真は少ないので、現地に行くまでこの川があることは全くわかりませんでした 。


又兵衛桜の周辺には菜の花と水仙が咲いており、黄色とピンクのきれいな配色を楽しむことができました。撮影場所の前には、 黄色い水仙がたくさん植えられているので、手前に水仙を入れての撮影も可能です。

通路や駐車場の前から撮影すると、今までの写真で気付いた人もいると思いますが、桜の背後に空が入ってしまいます。青空を大きく入れたような構図だと良いのですが、又兵衛桜を主役にして大きく入れる構図だと空が邪魔になります。

こういう場合は後ろに下がれば、桜の背後が山になり、緑をバックにした又兵衛桜を撮ることができます。

駐車場の右側、ほぼ又兵衛桜の正面の位置には通路があります。ここは田んぼ畔では無いので歩くことができます。

道路側ギリギリまでくると、又兵衛桜はこのように見えます。今までの写真は又兵衛桜のすぐ上が空。この写真だと又兵衛桜の上は山になり、望遠レンズで切り撮れば緑バックの写真にすることができます。

[撮影したい構図ごとの撮影位置]
・又兵衛桜の一部を望遠で切り撮るのは前・後ろどちらでも可能
・菜の花、スイセンなどを入れるのは前(後ろからでも菜の花は可能)
・背景を緑にしたい場合は後ろ

どのような写真を撮りたいかで撮影位置は変わりますね。

山(林)を背景にした又兵衛桜

撮影した時は、快晴で朝陽が綺麗に又兵衛桜に当たりました。朝日が当たる瞬間は通路と駐車場の前側から又兵衛桜の一部をアップで撮影していました。

一番良い光(朝の斜光)の時に前と後ろの両方で撮ることは難しいので、この時は前での撮影に集中し、良い光の時間帯が終わってから後ろで撮影することにしました。

こちらが後ろ側から望遠レンズで撮影した又兵衛桜になります。

又兵衛桜・桃・菜の花・石垣が全ての様子がわかるように撮影してみました。(説明用写真)

朝靄に包まれる又兵衛桜

ここからは別の日に撮影した又兵衛桜の写真になります。晴れた日の朝陽に輝く又兵衛桜も良いですが、朝靄の中で静かに花を咲かせる又兵衛桜も情緒的でうっとりとします。

撮影:五島 健司

撮影:五島 健司

霧が多くなると後ろの杉林の中に霧が入り込み、奥行きが出る写真になりました。


又兵衛桜 アクセスマップ(地図)

撮影スポット情報

項目Data
名称又兵衛桜
ふりがなまたべえざくら
住所奈良県宇陀市大宇陀中庄185
駐車場有 / 有料 : 500円
トイレ

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