桜を綺麗に撮るためのアイデア20選!カメラ設定とシーン別撮影方法
写真愛好家にとって年間の大イベントの一つとなる桜。
今回は人気の撮影スポットを紹介しながら、桜の撮影方法、一眼レフカメラ&ミラーレスカメラの設定とレンズの選択、レタッチなどのノウハウをお伝えします。
カメラ初心者の方もポイントを押さえれば素敵な写真を撮ることができます!
このページをお気に入りに入れておけば、撮影の旅でアイデア帳として役立つと思いますので、ご活用下さい。
桜の撮影
「日本の心」と言っても過言では無いほど、国民に親しまれている「桜」。
今回は年間を通して大きなイベントとなる「桜」撮影のノウハウを記載します。一眼レフカメラ・ミラーレスカメラと交換レンズで本格的に風景写真撮影に挑戦してみましょう。
桜の写真には撮影したスポット名を記載しておきますので、撮影に行くときの参考にどうぞ。
このページの一番下に、スポットのページのリンクをまとめて表示してあります。
桜の撮影は主役が「桜」とわかりやすいので、「桜」を中心に様々な被写体との組み合わせを考えることができます。
シーン別に撮影技術を学ぶことができるとても良い題材だと思います。
一本桜、古桜、桜並木など、撮影ポイント(スポット)が明確なので撮影にも行きやすいですね。
桜に詳しくなって良い写真を撮ろう! 桜の基礎知識
桜の開花が予想できる「600度の法則」
桜の開花が近づいてくると、天気予報番組で「開花まであと累積で○○度必要」なんていう話題が出てきます。こういうコメントを耳にしたことがある人は多いと思います。
毎年2月1日から毎日の最高気温を累積していきます。その累積が600度を超えたときに開花!
なかなか精度が高い法則となっており、よく知られるようになってきています。
撮影スケジュールは緯度と標高に注目して立てよう!
桜前線はソメイヨシノの開花予想日を結んだ線のこと。桜前線はマスコミによって付けられた名前で、気象庁では「さくらの開花予想の等期日線図」(長くて覚えられない・・・)という名称で呼ばれていました。
「ました」と過去形なのは2010年から、民間業者が桜前線発表(桜の開花予想)を行うケースが増えたので、気象庁は桜の開花予想を止めて民間業者に任せるようになったからです。
桜前線は一見すると南から北へ動いていく感じがしますが、よく見るとかなりグニャグニャと曲がっています。
近い緯度経度でも標高差があると、桜の開花時期がズレてきます。
それに、日当たり条件(南斜面か北斜面か)によっても変わってきたり、桜の種類によっても開花日(満開日)は変わってきます。これらの条件を頭に入れておかないとベストな時に撮影するのは難しいです。
twitterやInstagramなどで過去の写真を見て満開日を予測することも重要。自分の撮影したい桜より前に満開を迎える桜をウォッチしておいて、「今年は去年より5日ほど遅れそうだ」とか予想を立てて行動することが重要ですね。
SNSで情報を得るときは、過去の写真が流れてきたりするので、今年のものと間違えないようにしましょう。
桜の種類について
ソメイヨシノ、エドヒガン、ヤエザクラ・・・
日本の桜は100種類以上もあると言われています。
写真撮影をしていて出会った桜で思いつくもでもこれだけあります。
ヤマザクラ、オオシマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、エドヒガンザクラ、コヒガンザクラ、ソメイヨシノ、タカトオコヒガンザクラ、ヤエベニシダレ、ヤエベニヒガン、マメザクラ、タカネザクラ、チョウジザクラ、ミヤマザクラ、サトザクラ、ウコンザクラ、カワヅザクラ
まあ、たくさんあって覚えきれないと思うので、桜撮影初心者の方は以下の桜を覚えることからスタートするといいですよ。
「ソメイヨシノ」
これは日本の桜の多くを占める品種なので説明不要ですよね。お花見の宴会はだいたいソメイヨシノの下でしょう(笑)
「エドヒガン」
一本桜と呼ばれる桜は、エドヒガンかシダレ桜が多いです。エドヒガンは巨木になることが多く、迫力のある姿を楽しむことができます。
「河津桜」
こちらは伊豆半島に多く、2月頃から咲き始める早咲きの桜として知られています。
「シダレ桜」
枝が長く、垂れ下がっている桜で、開花時期は一般的にソメイヨシノより1周間程度早い。
カメラの設定や現像・レタッチ
Rawで撮影しておこう
カメラを買ったばかりの時はデーターの保存方式がよくわからないので、とりあえずjpegで保存してしまっていたりします。
jpegで保存しておくとパソコンですぐに画像を見れますが、Rawデーターだと現像ソフトで開き、現像後にjpeg保存するという処理をしなければなりません。jpegのほうがすぐにパソコンで見れたりInstagramやtwitterに投稿できるので、カメラを始めたばかりの人はjpegだけで保存してしまっています。
jpegとRawデータの違いはjpegはレタッチして保存する度に画像が劣化していきます。Rawは後から再レタッチしても画質が劣化しません。
Rawで保存しておかないと、後で後悔することになりますので、とりあえず今は意味が良くわからなくてもRawでデータを保存するようにしておきましょう。
初心者にオススメなのは「Rawデータとjpegデータの両方を保存」する設定です。パソコンで撮影した写真の入ったフォルダを開くと同じ写真でRawデータとjpegデータの2種類が保存されています。
jpegも保存されているので、今までどおりパソコンやスマートフォンでもすぐに画像を見ることができますし、twitter・InstagramなどのSNSにもそのまま画像を投稿することができます。
Rawデータは見なくても良いので、とりあえずどこかに保存。そのうち、宝となって輝いてきますのでそれまでは放っておきましょう(笑)
現像&レタッチ時にピンクを濃く!
桜はピンクのイメージがありますが、実際に撮影してみると思ったより白いことが多いです。
桜にもピンクの濃い種類がありますが、ソメイヨシノ・エドヒガンなどはピンクというよりは白っぽく写る時が多いです。
現像やレタッチの時にマゼンダ(M)を少し強めてあげるとピンクが強くなり、イメージしていた桜の色に近くなります。要するに赤系を強めて上げましょうっていうことですね。
「絞り優先モード」「シャッタースピード優先モード」をうまく使い分け
「絞り優先モード」はパンフォーカス(手前から奥までピントを合わせる)にするか、手前や奥をぼかすか、ぼけ具合を優先して撮影する場合に利用します。
絞りは「F+数字」で表され、数字の小さいほうがよくぼけて、数字が大きくなるほどパンフォーカスになってぼけが無くなります。
使い方はこんな感じです。
「桜と背景の山々を一緒に撮れる広大な景色」をイメージして下さい。
ピントは手前の桜に合わせます。
「桜とその後ろの山々もはっきりと写したい」というときはF14~F18あたり(F値を大きく)で撮影し、「後ろの山はぼかして、桜を目立たせたい」というときはF5.6(F値を小さく)で撮影という感じになります。
「絞り優先モード」は自分でこのF値を決めます。それに合わせて適切なシャッタースピードをカメラが選択してくれます。(ISOもオートにしておくと、ISOも自動に調整してくれます。)
風景撮影は絞り優先モードで撮影することが多くなりますね。
「シャッタースピード優先モード」は桜撮影でどのように使うかと言いますと、ずばり「桜吹雪!」
風が強く吹いて花びらが飛ばされているときはかなり速度があります。
普通の感覚でシャッターを切ると良い感じに写っていそうですが、家でパソコンの大きな画面で見ると花びらがぼけていたりします。ぼけているというよりは花びらが流れて線になってしまう状態になります。
これは専門用語では「被写体ブレ」と言いますね。
日中の明るい時でも1/800、1/500 あたりのシャッタースピードで撮影してみましょう。これくらいのシャッタースピードに設定して暗くなってしまう時はISOを上げて明るく写るようにします。
桜吹雪を撮る時は背景が暗いところを選ぶと桜の花びらが目立って綺麗です!
撮った写真が暗くてくすんだ感じがするときは露出補正をプラスに
桜は白色なので反射率が高いです。桜にピントを合わせて撮影すると、暗く写る場合が多いです。
桜を撮影する場合は露出補正をプラスにして撮影することを頭に入れておきましょう。
カメラメーカーによって呼び名は違いますが、「ハイライト警告表示」「白飛び確認」で、露出オーバーで白飛びした部分が表示され、どこが白飛びしているのかがわかるようになっています。この機能を使って白飛びしないようにしつつ、明るくなるように調整すると良いです。
レンズ
ボケを意識して撮影してみよう
一眼レフ・ミラーレスカメラではどのようにぼかすのか?
ぼけを生み出す方法は幾つかありますので、まずぼけをどのように作るのかを覚えましょう!
1.絞りの値(F値)を小さくする。
2.焦点距離を長くする(望遠レンズのほうがぼける)
3.カメラと被写体を近づけると背景がぼけやすい
4.被写体と背景が離れているほど背景がぼけやすい
このようにぼけを生み出す要素は複数存在するので、これらの1つを使ったり、組み合わせたりして自分の思い描く写真になるように調整します。
望遠レンズの圧縮効果を使って迫力ある写真を撮ってみよう
この写真は単焦点500mm(F4)で撮影しています。レンズの重さだけで3kg以上ある大砲って呼ばれるやつです。
ベンチから撮影場所までは200mほど離れています。
・望遠レンズの圧縮効果で桜並木に迫力を出す
・ベンチにピントを合わせ、手前の桜吹雪をボカしてフンワリした感じを演出
・ローアングルで視点を変えて新鮮な感覚に
このようなことを考え、三脚の足を思いっきり開き、地面すれすれにカメラとレンズをセットして風が吹くのを待って撮影しました。
200mくらいの長い距離の間に舞っている花びらが写るので、ピントを合わせているベンチの近くは花びらがしっかりと写り、その奥や手前の花びらは「ぼけ」ています。
写真は長野県小布施町の「千曲川堤防の桜堤」です。
撮影方法
桜に寄って撮影
桜全体を写すだけでなく、桜の花に近づいて撮影してみましょう。
この写真は桜の太い幹に咲いていたものを撮影しました。
背景が暗いので、桜が良く目立ちます。
マクロレンズを使ってみるのも良いですね。
背景にこだわってみる
桜撮影では背景にこだわってみるのも面白いです。
背景が杉や竹などの場所を選び、桜が浮き上がるような写真や桜吹雪の写真を集めたり、
爽快な青空と桜の写真を集めたり。
雄大な風景だと「残雪の山」を背景にするのが人気です。
首都圏からの撮影旅行は「富士山と桜」「残雪のアルプスと桜」が良いでしょう。
「残雪の北アルプスと桜」
3,000m級の峰々が連なる北アルプスは桜の時期でも雪が残っており、桜と残雪の山のコラボレーション写真を撮ることができます。
桜と北アルプスの組み合わせはインパクトが強く、毎年多くの写真愛好家を魅了し続けています。
残雪の北アルプスと桜の撮影は長野県の「白馬村」「小川村」からがオススメ。
桜の撮影スポット・撮影ブログは下記からどうぞ!
北アルプスと桜の撮影紀行・白馬編
信州 日本で最も美しい村「小川村」の四季 〜里山と北アルプスの絶景
「立屋・番所の桜・桜山」撮影ガイド 〜残雪の北アルプスと桜のコラボレーション
「富士山と桜」
富士山は国内にとどまらず、海外からの観光客にも大人気の被写体です。日本一の山であり、独立峰なので、遠くからでもその姿を望むことができます。
桜と富士山を一緒に撮影できるスポットは桜の時期になると多くの人で賑わいます。
この写真は富士五湖のひとつ、河口湖から撮影しました。
河口湖では「湖面に映り込む富士山と桜」が定番になっており、5年とか10年とか通い続けてやっと撮影できるなんていう話を聞きます。桜が満開で、晴天。そして湖面に波が立っていない無風の条件が揃うのは思ったより難易度が高いです。
その他にも富士山と桜の撮影スポットはたくさんありますので、富士山周辺の桜巡りは楽しいですよ!
富士山と桜の撮影スポット情報・撮影ブログは下記からどうぞ!
「新倉山浅間公園の桜」撮影ガイド 〜赤い忠霊塔と富士山、富士吉田の街並み
雄大な富士山と桜並木の絶景「龍巌淵の桜」
「河口湖の桜」撮影ガイド 〜富士山と桜の共演(産屋ヶ崎・長崎公園など )
「残雪の山々と桜のコラボ」 撮影スポット 「信州・山梨」アルプス 富士山
桜の樹形に注目
特に一本桜を撮影する時は、桜の樹形を良く観察してみましょう。
「この桜の一番美しい姿を映す」という意気込みで桜の周囲を歩いてみると、新しい発見があります
この写真は群馬県沼田市の「上発知(かみほっち)の枝垂桜」です。
お地蔵さんと桜の構図が有名な上発知の枝垂桜。
田園の丘の上に立つ孤高の桜です。右側の奥には残雪の武尊連峰が見えます。
桜の右側は花が無く、桜だけを見ると左側に重心が偏っていますが、右奥の山と青い屋根の家屋があるのでバランスが良く見えるようになります。
これは桜(主題)と山や家(副題)のバランスを考えています。桜と山が重ならないように左右の位置を決め、さらに三脚の高さを調整しました。
次はこの桜を全く違う方向から見てみましょう!
こちらは桜を先ほどと逆の方向から見ています。
上発知の枝垂桜は、お地蔵さんと桜の枝と花をアップで撮影する構図が一番多いようです。
前の写真(青空と武尊連峰)の構図も良く目にします。
この桜は撮影時間よりかなり前に現地入りし、ロケハンしています。
田園の中に農道があり、桜を一周できます。一周するとかなりの距離がありますが、
どの方向から見た樹形が一番美しいか?
光が当たった時にどんな感じの写真が撮れるか?
背景はどんな感じになるか?
ということを考えながらロケハンしました。
すると、お墓やガードレールが入ってしまいますが、背景が黒くなり、逆光に輝く桜が撮影できる位置を見つけることができました。
この位置は樹形が美しく、桜単体で考えると、前出の青空の写真よりバランスが良いと思います。
もうひとつ別の桜を見てみましょう。
こちらは長野県高山村の「和美(なごみ)の桜」です。
高山村は高山五大桜が有名ですが、村役場近くにあるこの桜もオススメです。
この桜の撮影時には桜を一周しながら、できる限り円形(左右シンメトリー)になる位置を探しました。
和美の桜は樹形が美しく、うっとりしてしまいます。
桜をど真ん中に配置した「日の丸構図」で一枚、周囲の風景(副題)も入れた構図で数枚という感じで撮影していくとスキルアップに繋がりますね。
よく「日の丸構図は初心者だ!」などと言われますが、インパクトがある被写体は潔く日の丸構図にしたほうが良い写真になることのほうが多いです。
既出の「上発知のしだれザクラ」のように背景に雲や残雪の山などが入る時は、それらのバランスを考えながら、桜を配置する(日の丸構図では無くなる)のが良いでしょう。
視点の高さを変えてみる
写真を始めた頃は、立って目の高さになるように三脚の足を伸ばしての撮影が多くなっていました。写真は実際に立って目で見ているものと同じ感じになります。
同じ場所から撮影しても、ローアングルやハイアングルにするだけで、写真の印象がガラリと変わったりします。
ローアングルは特に道具が必要ないので、簡単に挑戦できます。3~4段の三脚を足を伸ばさず1段のままで使えばOK。ローアングルの時に足が大きく開く三脚だと便利です。
ハイアングルはカメラを載せた時にカメラが頭の上にくるぐらいの三脚と脚立が必要です。撮影場所に段差、斜面などがあるときは、撮影場所の高さを意識すると良いでしょう。
写真撮影していると脚立を持っている人がいますが、これは視点の高さを意識して撮影しているということです。(※カメラマンが多い撮影地で、人の後ろから撮影するという目的の場合もあります)
逆光や斜光での撮影
桜と周囲の風景を一緒に撮影する時は、順光での撮影が多いと思います。
桜撮影では、桜と青空が春のイメージになっているので、やっぱり順光の写真が多くなりますよね。
桜の花びらは薄く、逆光や斜光の状況だと、花が透けて美しいです。
逆光や斜光で撮影する時は背景が暗いところを選ぶと、桜が浮かび上がるような写真になります。
背景に杉林、竹林、寺院などの建築物があるときはそれらを意識すると良いですよ!
桜のシーン別撮影テクニック
リフレクション(映り込み)
写真撮影でのリフレクションは主に水面への映り込みを言います。
桜撮影のカテゴリーでは
「沼や湖への映り込み」
「水の張られた田への映り込み」
「水たまりへの映り込み」
などが考えられますね。
池や沼や湖への映り込みは、早朝の風がない穏やかな時が狙い目となっています。
[桜のリフレクション撮影のPOINT]
・風の無い時が狙い目
・早朝、夕暮れ時、ライトアップが狙い目
・映り込む面積を大きくするために、できる限りローアングルが良い
桜のリフレクション写真を幾つか紹介します!
こちらは日本三大夜桜のひとつに選ばれている新潟県上越市の「高田公園」。
高田城の跡地に整備された公園で約4,000本の桜が見事。
お堀の水面に桜が映り込むので、桜リフレクションの名所として知られています。
お堀は低くなっているので、風の影響を受けにくいです。
こちらは長野県大町市にある中綱湖。オオヤマザクラのリフレクションが美しい。
オオヤマザクラは濃いピンク色が特徴で、無風の早朝には鏡のようになった水面に桜が映り込みます。
朝陽を浴びた桜が黒く見える湖面によって、より輝いて見えました。
中綱湖は木崎湖・青木湖とともに仁科三湖と呼ばれています。
ここは年によっては桜の満開日が5月の連休にぶつかり、湖を囲む道路が車でいっぱいになります。
この桜は福島県二本松市にある「中島の地蔵桜」。ベニシダレザクラで、残雪の安達太良連峰とのコラボレーションを楽しむことができます。
夜にはライトアップが行われ、水の張られた田に桜が映り込みます。
特に夕暮れのマジックアワータイムがオススメ。
ブルーの空を背景に樹形の美しい桜が浮かび上がります。
桜吹雪
桜撮影をしていると「桜吹雪」の写真を撮りたくなります。
満開のピークを過ぎると桜の花びらが徐々に散り始めます。
桜吹雪は風が吹いている時がチャンス。風で桜が散るのを見たら、三脚をセットして構図を決めます。(シャッタースピードが早いので手持ちでも良いです)
シャッタースピードを 「1/500」以下にして撮影すると、花びらが止まって見えます。
一度花びらが風で落ちると、しばらくは風が吹いても花びらが落ちません。経験上、15分~30分ぐらい時間が空いて風が吹くと、一気に花びらが舞います。
桜吹雪を狙って待っていると、なかなか桜吹雪にならない時があります。撮影を止めた時に、凄い桜吹雪が発生ということも何度かありました。
桜吹雪を撮影する時は「根気強く粘る」ことが重要だったりします。
凄い桜吹雪が撮れた時はなんとも言えない達成感がありますよ!
この写真は長野県須坂市の「臥竜公園」で撮影しました。
桜の絨毯
桜の絨毯も人気の被写体です。
桜が散って、地面が一面ピンクに染まる。
桜が散っているときなので、桜の絨毯と桜吹雪のコラボレーションも狙えます。
花筏
散った桜の花びらが水面に浮かび流れている姿を「花筏(はないかだ)」と言います。
桜は満開の時だけではなく、散った後でもシャッターチャンスはあります。
花筏で最も有名なのは青森県の「弘前城」ですね。
お堀を埋め尽くす桜の花びらは圧巻。
水の流れが早い場所はすぐに花びらが流れてしまいますので、水の流れが緩やかな場所が狙い目です。
城の堀は水の流れが殆ど無いので、絶好の花筏撮影スポットになります。
この写真は新潟県の「高田公園」で撮影しました。日本三大夜桜のひとつです。
桜のライトアップ
ライトアップされた桜は妖艶で美しい!
夜の撮影は日中より暗めなので、シャッタースピードが遅くなりがちです。少しの風でも被写体ブレになってしまうので、ライトアップの撮影はシャッタースピードを意識しましょう。
無風の時は画質を良くするためISOを100で撮影。撮影した写真をカメラのモニターで拡大して確認。それで被写体ブレを起こしていなければOK。
被写体ブレになってしまっているときはISOを少しずつ上げ、シャッタースピードを早くします。被写体ブレが起こらないところを探して撮影します。
ライトの当たっているところと当たっていないところの露出差が激しいので、露出のバランスも良く考えて撮影しましょう。
「高遠城址公園の夜桜」
ここは日本三大桜名所のひとつです。
日本三大桜名所は「青森県 弘前公園」、「長野県 高遠城址公園」、「奈良県 吉野山」になっています。
高遠城址公園はこの地にしか咲かない「タカトオコヒガンザクラ」が特徴的で、春になると公園一帯に濃いピンク色の桜が咲き乱れます。
夜にはライトアップが行われ、お堀の跡の窪地から空を埋め尽くすような桜を撮影することができます。
この写真は魚眼レンズで空一面に桜を配置しました。黒い空を背景に浮かび上がるタカトオコヒガンザクラはまるでアート。
「臥竜公園の夜桜」
こちらは長野県須坂市の「臥竜公園の桜」。
夕暮れ後、空にグラデーションが残っている時間帯(マジックアワー)に撮影しました。空が紫色になり、和の美しさが良く出た写真になりました。
桜の木の幹、花びら、空の色を重視したので、ライトや光が強く当たった対岸の桜の木は意図的に露出オーバーにしています。
このように露出差の激しい時は「何を主体としたいか」によって、露出を決めます。
桜と星景
デジタルカメラの出現によって、星の撮影も劇的に変わりました。
フイルムカメラでは長時間の撮影(バルブ)が主でしたが、デジタルカメラでは短い時間で撮影した複数の写真を重ね合わせる(コンポジット)ことも多いです。
また高感度が強くなったので、美しい天の川も簡単に撮影できるようになりました。
山間部など、ライトアップされてなく、周囲に光の少ない一本桜は「星と桜」の写真撮影に向いています。
こちらは長野県南部にある「黒船桜」。
新月の夜に1時間かけて撮影しました。
星をグルグルするのはコンポジット(複数枚を合成)が多いですが、この写真は1時間かけての一発撮りです。
桜の後ろ側が北の時は、星が円を描くように写ります。
夜の桜撮影は北極星の位置を意識しながら空を見てみましょう。
自分の持っていったライトで桜を照らして撮影する場合は、周りに撮影中の人がいないか注意しましょう。長秒撮影、コンポジット撮影などをしている人がいると迷惑がかかります。
月明かりでの桜撮影
夜の桜撮影はライトアップだけではありません。
ここでは「月明かり」による撮影を紹介します。
この写真は長野県白馬村の「野平の桜」。
高台にあるこの一本桜は、背景が残雪の北アルプス・白馬三山になっており、スケール感の大きな写真が撮れるスポットとして大人気。
月が出ている時に長秒撮影すると、この写真のように日中のように山まで写ります。ここは桜の背後に街明かりがあり、桜とイルミネーションのような雰囲気になりました。
空をよく見ると、星が写っています。
半月から満月ぐらいの時であればISOを800にしてシャッタースピード(バルブ)2~3分で撮影してみてください。モニターを確認して風景が写っていれば、ISOを少し低くしたり、シャッタースピードを変えてみると良いでしょう。
月の明かりは思ったより明るいです。満月の夜は懐中電灯無しで歩けるほどの光量がありますよ。
モルゲンロート
モルゲンロートととは朝陽の出る前に山の高い尾根が赤く染まる現象を言います。
「モルゲンロート」はドイツ語です。山登りをする人には良く知られた言葉で、写真の世界でも良く使われます。山が夕焼けで赤く染まることを「アーベントロート」と言いますが、なぜかモルゲンロートほど多く使われません。(知らない人も多いです)
この写真は前出の「野平の桜」です。夜明け前、周囲が明るくなってくると白馬三山に陽が当たり、残雪の北アルプスが赤く輝きます。
桜にはまだ朝陽が当たっていないので、桜はしっとりとした感じになり、太陽の光が当たった山との陰影を楽しむことができます。
曇りや雨天時の桜撮影
シダレザクラの切り撮りは雨が降って花が濡れている時、曇天の時などが好条件だったりします。
この写真は埼玉県秩父エリアの「清雲寺のシダレザクラ」。境内に数十本のシダレザクラが咲き乱れます。白・薄いピンク・濃いピンクと多種多様なシダレザクラが競い合うように咲いています。
このような場所は晴れより、曇や雨のほうが味のある写真が撮れますね。
桜と別の被写体のコラボレーション
桜と花のコラボレーション
桜と花のコラボレーションで人気なのが「菜の花」。ピンクの桜と黄色い菜の花は青い空が良く似合います。
菜の花と桜を撮影できるスポットはどこも人気が高いですね。
この写真は埼玉県の「さきたま古墳の桜」。広大な敷地に幾つもの古墳が点在しています。
斜面には菜の花が咲き誇り、その上には空に枝を伸ばす桜の姿が。
下から見上げて撮影でき、桜が青空に浮かぶような写真になります。
この写真は長野県須坂市にある「弁天さんのしだれ桜」です。
山里の高台にあるこの桜のまわりには黄色い「レンギョウ」の花があり、桜とのコラボレーションを楽しむことができます。
この写真は福島県福島市の「花見山公園」。ここは花卉農家の私有地が公園として無料開放されています。背景にはこのエリアのシンボルである「吾妻小富士」があり、桜を中心に春の花が山を埋め尽くします。
桜、花桃、梅、レンギョウ、ボケ、ハクモクレンなど、春の花に囲まれて撮影が可能になっています。県庁所在地にあり、アクセスも良いので、春の花を撮りまくりたい!という人にはおすすめの撮影スポットです。
桜の撮影方法まとめ
桜の撮影アイデア・ノウハウはいかがでしたでしょうか?
ミラーレスカメラ・一眼レフカメラで本格的に桜を撮影するときの参考になれば幸いです。構図やシーン別のアイデアなどはコンデジやスマホでの撮影でも活用できるので「インスタ映えする桜写真」を撮りたい時にも応用できますよ。
都道府県別に桜スポットをまとめてありますので、こちらもご活用下さい。
長野県「桜」撮影スポット・撮影ガイド
山梨県「桜」撮影スポット・撮影ガイド
埼玉県「桜」撮影スポット・撮影ガイド
東京都「桜」撮影スポット・撮影ガイド
福島県「桜」撮影スポット・撮影ガイド 三春・二本松・花見山
「群馬の桜」撮影ガイド 〜雄大な妙義 浅間 武尊の山々と桜のコラボレーション