「瀧蔵神社の権現桜 」石垣から飛び出すように立つ独特の形をした一本桜

| 撮影:五島 健司

奈良県桜井市の瀧蔵神社にある一本桜。長谷寺の奥の院とされており瀧蔵神社へ参拝しないとご利益は半減すると言われている。

「瀧蔵神社の権現桜 」の写真ギャラリー

瀧蔵神社と権現桜の概要

瀧蔵(たきくら)神社は奈良県桜井市にある神社です。

桜井市は全国的に有名な「長谷寺」があり、瀧蔵神社は長谷寺の奥の院として古くから信仰されており、長谷寺にお詣りしても瀧蔵神社へ参詣しなければ、せっかくのご利益が半減するという言い伝えがあります。

古くから由緒ある神社としても知られる瀧蔵神社ですが、ここは奈良県指定天然記念物である「権現桜」があることでも知られます。

大きな石垣からゴツゴツとした太い幹が参道の上に覆いかぶさるように迫り出し、春には見事な花を咲かせます。

「瀧蔵神社の権現桜」の名前の由来は、権現さまが夢枕に現れ、「堂のそばに枝垂桜を植えて欲しい」というお告げによって植えられたことに起因します。

瀧蔵神社 撮影のポイント

[ポイント]
・幹は金属製の支柱で支えらえているので、構図に入らないようにするには工夫が必要
・早朝、夕暮れ時の光の弱い中での撮影も良い
・曇天、雨模様も似合う桜

[レンズ]
・標準レンズと広角レンズ

瀧蔵神社へのアクセス

近鉄大阪線「長谷寺駅」付近の国道165号から県道38号に入り北上します。7kmほど走ったところの左側に「奈良精工」さん(企業)があり、その反対側(右側)に瀧蔵神社入口の案内板があります。大きめの案内板になっていました。

ここを右折して細い道に入ります。ここからは写真を交えて説明します!

細い道を400mほど進むと、この写真のような場所に出ます。

ここからは少し登りになっています。車の幅1台分ほどしかない道なので、対向車が来るとすれ違うのにかなり大変です。

退避スペースがほとんど無く、対向車が来たらかなりバックしたりしてすれ違う必要があります。1.5kmから2kmの区間ですが、運転には神経を使います。桜の時期は桜を観に来る人もいるので、車が多いと大変な場所です。

さらに500mほど進むとこんな場所に出ます。

右手前側から走ってきて、小屋をヘアピンカーブして、左上の道に入っていきます。小屋の後ろに小さく「瀧蔵神社」の案内板が出ています。

ヘアピンカーブは右側に少し余裕があるので、ミニバンクラスの大きさでもなんとか曲がれます。

地図やナビで瀧蔵神社の場所を把握していないと、どちらに行ったら良いのか迷うところですね。

難所を越えたら、あとは道なりに進めば桜が見えてきます。

瀧蔵神社の権現桜 駐車場

前の写真の坂を登って建物横に行くと駐車場になっています。ここは数台の駐車が可能になっています。

桜の下側にも何台か駐車できます。

「権現桜全体像」

瀧蔵神社の権現桜は、集会場のような建物の前に立っていました。立っていたというよりは石垣から横にせり出していると言った方が良いかもしれません。

下は瀧蔵神社の参道になっており、古くからたくさんの人々がこの桜を眺めて神社に参拝したのでしょう。

長谷寺は驚くような大きな規模の寺院で、境内を埋め尽くすほどの桜に圧倒されますが、 ここは静かに一本の桜と向き合える場所になっています。

今回の旅では長谷寺と瀧蔵神社の両方を参詣できたので、ご利益が半分にならずに済んだようです。


瀧蔵神社の権現桜はどうしてこのような形で立っているのかとても不思議です。 堂の傍に植えたという言い伝えは残っているそうですが、この石垣は桜を植える前からあったものなのか、それとも後になって作られたものなのか謎は深まるばかりです。

植物は日光の当たる方向に枝を伸ばしたりする性質もありますが、 石垣からここまで飛び出すように立っている桜はあまりないでしょう。


今回は瀧蔵神社(本殿)までは行きませんでしたが、この奥が神社になっているようです。

桜はピークの時期でしたが、平日のため、人はほとんどいませんでした。奈良は桜の名所が全国でもトップレベルに多いエリアのため、観桜客は色々な所に分散されているのでしょう。

この桜は有名な桜を一通り回った人や、写真愛好家などが訪れる桜となっているようです。


「権現桜案内板」

奈良県文化財指定「権現桜」そのいわれ

当村の氏神さんは古来、神宮寺として近郷の人々の信仰の中枢たる瀧蔵権現として栄え数多くの堂塔、伽藍が威容を誇っていた。長谷寺観音堂の跡もひっそりと現存している。

その権現さまはある時、村の長老さんの夢枕に現れ「堂の傍に枝垂桜を植えて欲しい」とのお告げによりこの地に植えられたのが起源で(樹齢約四百年以上)この名の伝えられる由縁であります。年々再々周変われど、年々再々見る人変わることあれども花変わることなし。
心古に侍りご覧あれ。

権現桜保存会
(以上、案内板より)

薬師堂

近くには薬師堂もあります。

古く奈良時代(五世紀)に始まった薬師信仰は薬師瑠璃光如来本願功徳経に説かれたる。

日光・月光両菩薩を従えたる薬師三尊は人々の病苦を除かれ、子育ての母乳の出を促して下さる誠に慈悲深い仏様にて、心して参り下さい。

(以上、案内板より)

こちらが薬師堂の入口です。権現桜の前から道を下って行きます。

徒歩5分と書いてありました。

「権現桜を見上げて」

桜の下から青空を入れた構図で撮影。

枝には支柱がありませんが、幹には大きな支えがあります。

「真下からの様子」

下側から見上げるとこのような形に見えます。

建物が入ってしまうので、作品的な写真にするには右側から撮影するのが良いでしょう。

「小さな桜」

権現桜の下側にはピンク色の花を咲かせる小さな桜の木がありました。

「瀧蔵神社案内」

看板に瀧蔵神社について詳しく説明が書いてありました。

逆光に輝く瀧蔵神社の権現桜


撮影日は青空が広がり、光の強い日でした。太陽を構図に入れて逆光に輝く桜を撮影してみました。

幹や枝が独特の形をしているのがよくわかります。


桜の奥は一段高くなっており、ベンチが設置されています。

こちら側からは撮影には向いていません。

「逆光に輝く花」

光が透けた花びらが輝き、春らしい写真に。

しっとりと咲く瀧蔵神社の権現桜

ここからは別の機会に撮影した権現桜です。

撮影:五島 健司

曇天や雨模様の時は、また違った姿を見せてくれます。

幹や枝が太く独特の味のある権現桜。

空が少し霞んできました。

撮影:五島 健司

この位置から眺めると美しい半円形を描いています。


瀧蔵神社の権現桜 アクセスマップ(地図)

撮影スポット情報

項目Data
名称瀧蔵神社の権現桜
ふりがなたきくらじんじゃのごんげんざくら
郵便番号633-0108
住所奈良県桜井市大字瀧倉
駐車場有 / 無料 : 約20台
トイレ

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