「毛無峠」~鉱山跡の荒涼とした風景と長野盆地の大雲海。紅葉と星景も美しい。
長野県上高井郡高山村・群馬県吾妻郡嬬恋村の境にある峠。
「毛無峠」の写真ギャラリー
毛無峠の基本情報
木々が少なく、岩と低い背丈の植物だけが荒涼と広がる場所です。
昔は国内でも最大規模の硫黄鉱山である「小串硫黄鉱山」がありました。現在は廃鉱になり、運搬用のリフト跡などが見受けられます。
ここは道路が突然終わり、「群馬県」という大きな看板があり、その横には「この先危険につき関係者以外立入り禁止。中之条土木事務所」という看板が立っています。
毛無峠ってこんなところです!
毛無峠は万座温泉から万座道路(県道466号・県道122号)を走った行き止まりに位置します。群馬県嬬恋村と長野県高山村の境にある峠で標高は1,823mあります。
志賀高原から万座経由で向かうと稜線を走る道路になっているので、標高はそれほど高く感じませんが、実際数値で見てみると標高1,800m超えですね!
志賀高原の日本国道最高地点である「渋峠」が2,172mあるので、標高感覚が麻痺してきます。
毛無峠には群馬県の看板と通行止めの標識があります。この峠はここで行き止まりになっています。
この峠は本当に風が強く、周囲を見渡してもあまり木々がありません。荒涼とした風景が広がっています。毛無峠は破風岳、御飯岳、土鍋山登山の拠点になっています。
ここは昔、小串硫黄鉱山があった場所で、今でも古く錆びついた鉄塔が何本か立っています。倒れた鉄塔もあり、廃墟感を醸し出しています。この鉱山は閉山して40年ほど経ちます。
荒涼とした山と谷、その先には北信五岳(飯綱山、戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山)、善光寺平(長野盆地)、北アルプスの峰々とスケールの大きな絶景パノラマが広がっています。
毛無峠のポイント
・志賀高原(渋峠)から行くことができる
・荒涼とした独特の世界が広がる
・北アルプスが見える
・日本百名山「浅間山」が見える
・鉱山跡の鉄塔跡があり、廃墟感を味わえる
・秘境的な楽しみがある
・条件が良いと長野盆地の雲海を見ることができる
・夜は星が綺麗
・夏は涼しく避暑地になる
毛無峠へのアクセス・駐車場
毛無峠は万座温泉の南西方向に位置しています。まずは万座温泉を目指します。
[軽井沢方面からのアクセス]
軽井沢方面からは鬼押ハイウェーと万座ハイウェーを通り万座温泉に行きます。2つのハイウェーは有料になっています。鬼押しハイウェーを使わない場合は少し遠回りになりますが国道146号を使うと良いです。
[草津方面からのアクセス]
草津温泉から国道292号で草津白根山方面を目指し、そこから万座温泉に向かうルートがあるのですが、本白根山の噴火の影響によりこのルートは現在使えません。(2018年現在)
[志賀高原方面からのアクセス]
長野側から国道292号で渋峠を目指します。そこから山田峠経由で県道466号との分岐に向かいます。分岐から万座温泉へと向かいます。
万座温泉付近に着いたら、万座プリンスホテルのところにある分岐を西方向へと進みます。しばらく進むと県道112号にぶつかります。ここは鋭角になっているので注意しないと、長野県高山村に下りてしまいます!
鋭角を曲がったら、そのまま南下します。すると毛無峠に到着します。
万座温泉から毛無峠近くまでは木々の中を走りますが、毛無峠近くになると木々が無くなりスカイラインになります。
この写真は手前が毛無峠の駐車場、奥が万座温泉方向になります。車だと奥から手前に走ってくる感じになります。最後はガードレールの無い道路になっています。木の棒が並んでいますが、車がぶつかったら倒れて、車ごと谷に落ちていきそうです。
このクネクネとしたカーブは車やバイクを停めて写真を撮っている人が多いです。
木々がほとんどない斜面が広がっています。
急な斜面の一部を削って道路が造られています。道路の途中には展望の良い場所が幾つかありました。
ここが行き止まり地点です。駐車場が2つあり、この写真は手前の駐車場から撮影しています。
ここから先に進むともう一つ駐車場があります。
奥に見える山が破風岳です。
道はダートになっています。
ガードレールは無く、棒が紐で繋がっているだけ。
駐車場付近は平坦な場所なのでそれほど恐くはありません。
小串硫黄鉱山跡
毛無峠のシンボルとなっている鉄塔。
駐車場のすぐ近くに5本の鉄塔が並んでいました。駐車場から御飯岳への登山道が出ており、鉄塔の近くまで歩いて行くことができます。
「駐車場からの眺め」
この奥(鉱山跡)は立入禁止になっています。駐車場からは鉱山跡の道路を俯瞰することができました。
中央奥に見えるのが日本百名山・浅間山です。
「浅間山」
望遠レンズを使うと浅間山が主役の写真を撮ることができます。南を向いての撮影になるので日中は逆光になってしまいます。浅間山を撮影するのは早朝か夕方が良さそうです。
「鉱山跡の道路」
山の斜面に見えるつづら折りの道。
40年ほど前までは数千人がここで働いていたようです。
荒涼とした岩場。
緑の中に大きな岩場が見えました。この岩の感じは福島県の安達太良山にある沼ノ平(月のクレーターのような風景)とよく似ています。
夏の毛無峠
気象変化が激しい毛無峠。善光寺平(長野盆地)からの風が群馬側に吹き抜けていきます。
急峻な山の斜面から雲が湧き上がってきました。
複雑な地形に差し込む光
凹凸の激しい毛無峠からの風景。雲の切れ間から差し込む光がライトのよう。
毛無峠の雲海
空が焼けそうな日だったので、夕暮れまで毛無峠でのんびりすることにしました。太陽が北アルプスの方に沈んでいく頃、長野盆地(善光寺平)からモクモクと雲が湧き、大雲海状態になりました。
毛無峠は長野側から群馬側に風が流れることが多く、雲海が毛無峠にどんどん迫ってきました。
真っ赤に焼けた空と雲海は最高です。
雲海から顔を出している峰のシルエットが美しく、赤とオレンジのグラデーションが雲海の奥に広がります。
風が強く、雲海は大波のように激しく動き、徐々に毛無峠に向かってきます。
毛無峠までは雲に包まれないだろう。と思っていましたが、あっという間に峠は雲の中に入ってしまい、視界が無くなりました。
毛無峠 撮影後記
毛無峠は道路が行き止まりになっていることから「グンマー国境」などとネタにされることもあり、ドライブやツーリングにも人気の場所になっています。
「群馬県」という大きな標識と「関係者以外立入禁止」の看板はインパクトがあります。受け取り方によっては群馬県には関係者以外入れないのか!ってなりますね。
一眼レフカメラを三脚にセットして雲待ちをしていると、平日にもかかわらず、ちょくちょく車やバイクがやってきました。
風が強いことからラジコン飛行機を飛ばして楽しんでいる人もいます。破風岳などの登山口でもあり、登山客もちらほら。いろいろな目的で毛無峠に来る人がいます。
毛無峠はサンセットポイントとしてとても良い場所です。志賀高原(横手山ドライブイン)あたりにいて、午後から長野盆地(善光寺平)に雲が湧き出したら、万座温泉経由で毛無峠に移動してみると良い雲海写真が撮れるかもしれません。
温暖化で夏は平地の撮影は厳しいので、避暑をかねて志賀高原に何回か来ています。夏でも夜になると13度~15度程度で寒いほどです。
毛無峠から長野側に下りると高山村になります。高山村は「高山五大桜」「雷滝」「八滝」などの撮影スポットがあり、紅葉もとても美しい村です。
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撮影スポット情報
項目 | Data |
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名称 | 毛無峠 |
ふりがな | けなしとうげ |
住所 | 長野県高山村 |
駐車場 | 有 / 無料 |