「鎌倉山」標高200mからの雲海とご来光。那珂川の川霧と里山の紅葉絶景

レンズ焦点距離 : 200mm(APS-C : 133mm)

栃木県茂木町にある標高200mほどの里山。真下に那珂川が流れており、川霧と雲海の撮影スポットとして近年人気が高まっています。

「鎌倉山」の写真ギャラリー

鎌倉山とは

近年、雲海スポットとして認知度が上がってきている「鎌倉山」は、那珂川(なかがわ)の中流域、栃木県茂木町にある標高200mほどの里山です。

鎌倉山という名前から神奈川県の鎌倉を想像する方が多いと思いますが、雲海スポットの鎌倉山は栃木県になります。

茂木町(もてぎまち)と聞いてもあまりピンとこないかも知れませんが、自動車レース場の「ツインリンクもてぎ」のある場所、陶器で有名な「益子焼き」の近くというとピンとくる人もいると思います。

栃木県の県庁所在地「宇都宮市」と太平洋のちょうど中間、栃木県と茨城県の境に「鎌倉山」はあります。
この鎌倉山はとちぎの景勝百選にも選定されています。

なだらかな里山なので頂上まで車で行くことができ、150mほど山道を歩き展望台に到着すれば、眼下にはカーブした那珂川の流れ、橋、田舎の街の風景が広がっています。

真下に川があり、水分が豊富なので川霧・雲海がとても発生しやすい場所になっています。雲海というと標高がかなり高い場所から見るイメージがありますが、200mの高さ、しかも車で行けるとなると人気のスポットになりますよね。

那珂川は栃木県那須町の那須岳山麓が源になっており、茨城県を流れ、茨城県の大洗町とひたちなか市の境界で太平洋に注ぎます。栃木県と茨城県の境ではなだらかな山の間を流れており、その地形から雲海が発生しやすい場所になっています。那珂川流域には雲海スポットが幾つかあります。

鎌倉山へのアクセス

鎌倉山へのアクセスは、簡単に言うとわかりにくいです。鎌倉山はGoogleMapに出ていて、「鎌倉山展望台」も地図上で確認できます。鎌倉山の下には「ふるさとセンター茂木」があります。橋のところには「白糸の滝」も表示されています。

しかし、頂上までの道が表示されていない・・・(この記事を書いている時点では)

道がよくわからなかったので、日中にロケハンしました。GoogleMapで鎌倉山の東側の道路に「イセファーム茂木農場」が表示されています。この向かい側が鎌倉山への道路の入口になっています。

どこが入口かわからなかったので、この周辺を車で走りながら入口を探しました。鎌倉山への道の入口、道路の様子、駐車場などは下記のブログに記載してありますので、こちらをご覧下さい。

鎌倉山へのアクセスと駐車場 | 夜でも行ける!栃木県有数の雲海スポットへの行き方を徹底解説

車で頂上まで行けますが、鎌倉山の下にある大きな橋(白糸の滝)のところにも駐車スペースがあり、そこから登山道を歩いて、鎌倉山展望台まで行くことができます。こちらはかなりの急登になっているようです。

実際に雲海を撮影していると、登山道で下から登ってくる人がいました(2組)

展望台へのアクセス

駐車場から展望台までは、150mほどの距離(登山道)を歩きます。展望台までは標高差はほとんど無いですが、暗い時に歩くのは少々怖いかもしれません。石がゴロゴロした場所もあるので、転ばないように注意が必要です。

それでは、駐車場から展望台までの行程をご紹介します。

駐車場の奥に展望台の入口があります。左側にはあずまやがあるので、これが目印になります。鎌倉山の頂上というのはここでも展望台でもなく、この写真の右側から頂上への登山道を歩いた場所になっています。この写真右側の頂上へ向かう道へは行かないようにしてください。

メインの撮影ポイントは展望台になるのですが、駐車場や展望台への道へ入ったすぐのところも雲海を撮影することができます。

この写真は雲海が出ていない時の様子です。雲海の量が多い時は、びっしりと雲海が埋め尽くします。

「展望台への道入口からの風景」

展望台への道(登山道)に入って20mほどの区間は開けていて、眺望が良くなっています。雲海が出た時はここもカメラマンが並びます。雲海の量が多い時はここからも絵になります。夜道は怖いという方はここで撮影するようです。

画面の上に木の枝が入る場所もありますが、うまく場所を選んだり、望遠レンズで撮影したりすると良い感じになります。

「登山道スタート」

入ってすぐは平坦な道になります。

少し歩くと下り坂になります。

ここは石が多い場所です。
日中はそれほどでも無いですが、夜にヘッドランプをつけて歩く時は気をつけましょう。

「鳥居」
突然、鳥居と石碑が現れます。初めて夜中にこの道を歩くと怖い感じがします。

ここは少し登りになります。道を跨ぐように鳥居が設置されているので、この鳥居を潜って先に進みます。

「石碑」

鳥居を潜るとその先に大きな石碑があります。ここは右方向に進みます。夜、暗いとわかりにくいので「石碑の前を右」と覚えていくと良いです。

ここからは細い道になります。

左上には神社の建物が見えます。神社の下あたりで道は右方向に曲がっています。


道なりに進んでいきましょう。明るいと、この辺りからは右側に那珂川(なかがわ)が見えます。

石が多いところを下ります。

ここも石が多く歩きにくい場所です。

展望台の撮影ポイントに近づいてきました。

まず、一番上の撮影ポイントに行ってみましょう。写真に左上に入っていく道があります。ここを登っていきましょう。もう少し先からも登れますが、岩の切れ目の凹凸に足を引っ掛けて登るような感じになるので、ここから登った方が安全です。

少し登ったら左側に進みます。

「岩の上の撮影ポイント」

岩の上は結構広く、何ヶ所か三脚を立てる場所があります。写真の赤い楕円のあたりに三脚を立てることができます。右側の楕円の下に柵が少し見えますが、柵の所から3mほどの高さがあるので、ここから落ちると大怪我をします。(柵の周辺はゴツゴツした岩場になっています)。

撮影の時は前に行き過ぎないようにする、人にぶつかると危ないので周りの人に注意することが必要ですね。

「右側の風景」

右側には木があり、その奥に那珂川のカーブが見えます。下の柵の所からは川全体が見えて良い感じですが、ここからは木が入ってしまい、あまり川は映りません。大雲海になった時に紅葉した木を主役にする写真には適しています。

「上の岩から見た展望台の様子」

下の展望台を撮影しました。岩の下に鎌倉山の案内板が見えます。ここに登ると結構な高度感があります。柵の右側に進むと駐車場、柵の左側を下っていけば鎌倉山の下から登ってくる登山口に繋がります。(たまに下から登ってくる人がいます)


「柵の所へ」

上の岩から元の道に戻り、柵の方へ歩いてきました。

柵の右側は三脚を立てやすいですが、左に行くほど下が岩が多く傾斜があり、三脚が立てにくくなっています。

この柵の右側からは那珂川のカーブを手前に入れることができるので、この場所から撮影する人も多いです。柵の中央付近は上から撮影する人の邪魔になるので、あまりここに行く人はいませんでした。

「柵の奥の様子」

柵沿いに歩いて行くと左に下る感じになっています。この写真のあたりは柵の近くが岩で幅がないので、三脚の立て方が甘いと三脚が倒れます。左側には那珂川の流れ、橋(柵と重なってしまっていますが)が見えます。

「左方向の様子」

左側は下に橋が見えます。暗いうちに雲海が出ていると、この橋から右方向の道路に車の光跡が入ります。

「柵の真下の那珂川」

柵から下を覗き込んでみると那珂川の美しい流れが見えます。川の和船がとても小さく見えます。右下は紅葉が綺麗でした。

那珂川は栃木県の那須を源としており、この辺りは中流域になっています。中流域でも那珂川はとても美しい綺麗な水であることがわかります。

「鎌倉山の案内板」

柵のすぐ後ろ、岩場の前に案内板があります。先ほど紹介した岩の上の撮影ポイントは、この岩の上になっています。


鎌倉山では、山から降りてくる冷たい空気が暖かい川面に触れて川霧が発生するため、雲の海に山々が浮かんで見える「雲海」と呼ばれている現象を見ることができます。

雲海は、冷え込んで風の無い晴れた早朝によく発生し、晩秋から初冬の日の出頃(夜明けから2時間程度)が特に見頃で、朝日に染まる雲海は、まさに絶景です。

以上、案内板より

鎌倉山大雲海

夜明け前のグラデーションと一面の雲海

それでは雲海の写真を紹介します。

この日は前日の夕方から大雲海になり、まず、午後6時〜8時頃に月明かりに照らされた大雲海を撮影しました。真夜中には強風になり一度雲海は全くなくなりました。しかし午前3時ぐらいから再度雲海が出現し、早朝には大雲海になりました。

鎌倉山の月明かり雲海風景、早朝の雲海に透ける街明かりは後ほど別記事を作成予定です。

この写真は案内板の左側から撮影しています。撮影現場の様子がわかりやすいように柵も入れています。左側の柵の近くでも何人かが撮影しています。柵の近くもこの位置だと後ろの人の邪魔になりません。

「夜明けの大雲海」

空が赤く染まり、雲海に動きが出てきました。雲海が湧き始めた頃は、街明かりが透けていましたが、この頃になると街明かりはほとんど見えません。それほどに厚い雲海になりました。

朝焼けの空と、水墨画のような雲海の対比が美しい。案内板にあったように、ここは雲海に浮かぶ島のような風景が撮影できます。

「雲海グラデーション」

夜明けの空のグラデーションが綺麗に出ました。山のシルエットの前に、生き生きとした雲海が波打っています。


夜明け前の静かな感じ。

この日は明るくなる前に大雲海になっていたので、明るくなってからご来光まではゆっくりと撮影することができました。

明け方頃にはかなり冷え込み、「これぐらい冷え込むと雲海が出やすい」というのを体で実感しました。前にここでチャレンジした時は気温がそれほど低くならず、あまり良い雲海にはなりませんでした。

最低気温が10度前後の日が続いていましたが、天気予報で5度以下になる晴れた日を狙いました。

「天空の島」

展望台から見ると雲海のところどころに小高い山が見えます。その部分を望遠レンズで切り撮ると天空に浮かぶ島のような写真が撮れます。

ご来光と雲海


山の稜線から太陽が昇ってきます。11月下旬頃は展望台からやや右側に見える山の上から太陽が昇ってきます。

稜線から太陽が見えて、太陽が全部顔を出すまではあっという間です。周囲は静かになり、シャッター音がカシャカシャと響き渡ります。

ちょうど山の頂上辺りからのご来光になるので、絵になりますね。

朝陽に染まる雲海

右方向から太陽が昇ってくるので、正面を見ると、右側から強い斜光が入ってきます。

鎌倉山の雲海はご来光の後に、斜光に照らされた雲海を楽しむことができます。
横から照らされた雲海の立体感が凄いです。

正面に見えるのは茨城県常陸大宮市の雲海スポット「三王山」です。鉄塔が二本あり、その左側に小さいですが「三王山自然公園」の展望塔が見えます。

「朝焼雲海」

レンズ焦点距離 : 200mm(APS-C : 133mm)

この時間帯は雲海の動きが早くなり、躍動感ある雲海写真が撮れます。朝陽が当たっているところを撮影するとシャッタースピードは早めで良いので、雲海の表情を良く出すことができます。

余裕がある時、複数台のカメラで撮影している時は、あえてNDフィルターをつけて長秒で雲海を流して見るのも面白いです。

刻々と雲海の表情が変わるので、多めにシャッターを切っておいて、後から良いものを選ぶのが良いと思います。


レンズ焦点距離 : 200mm(APS-C : 133mm)

雲海が減ってきた時もシャッターチャンスです。雲海に島のように浮かぶ木々、さらに雲海が減ってくると民家の屋根や電柱が雲海の上に顔を出してきます。

山村の雲海風景も鎌倉山の魅力のひとつです。横から斜光が入り、輝く雲海がめちゃくちゃ綺麗でした。この感じの写真はモノクロで現像するのもいいですね。

撮影はRAWで画像を保存していますが、モノクロでどのような写真になるかを見るため、カメラ内でRAW現像し、モノクロのjpeg画像を確認したりしていました。

この時間帯は刻々と景色が変化するので、撮影は忙しいです。

紅葉の雲海

手前に紅葉した木々の葉を入れて秋の雰囲気を出してみました。

柵の上に出ている紅葉をフレームに入れることができます。少し下にレンズを振ると柵が入ってしまいます。手前に紅葉が入ると臨場感や高度感が出ます。

駐車場からの雲海と紅葉

展望台だけでなく、駐車場付近(登山道の入口)も雲海撮影ポイントです。ご来光の後、しばらく斜光に照らされた雲海を撮影し、駐車場からの雲海を撮影するために、駐車場に戻りました。

あまり長く展望台で粘ってしまうと、雲海が少なくなってしまいます。程よい雲海の量の時に駐車場に戻った方が良いですね。駐車場までは5分ほどです。明るくなっているので、夜中より歩きやすく、すぐに戻ることができます。

レンズ焦点距離 : 105mm(APS-C : 70mm)

ここからの撮影は手前に紅葉した木々を大きく入れられる点が良いです。

この写真はF値を小さ目にし、手前の木々にピントを合わせ、後ろの雲海をボカしています。

「紅葉する木々と大雲海」

この写真はできる限り風景を広く写しています。里山の間を埋め尽くす雲海風景です。

駐車場付近からは手前の木々の背の高さが良い感じで、スケール感の大きな風景写真になりますね。
この辺りからは望遠レンズで雲海に浮かぶ島のような写真も撮れるので、展望台に行かなくても、大雲海の時はここでも十分に撮影を楽しめると思います。

鎌倉山の川霧

これは別の日に撮影した写真です。
この日は雲海にはならず、川霧が出ました。

那珂川沿いに川霧が発生し、幻想的な風景に。
大雲海だけでなく、日によっては川霧風景も楽しむことができます。ほぼ真下に川が見えるのが良いところですね。

川霧が発生した時は、那珂川沿いに降りて、川霧風景を撮影するのも良さそうです。

鎌倉山雲海 撮影後記

紅葉撮影の旅の途中、栃木県と茨城県の境あたりを通りました。そういえば、雲海スポットの鎌倉山ってこの辺だったよなぁと思い、情報を調べ、雲海撮影に挑戦してみました。

GoogleMapに鎌倉山が出ていたので、ナビ機能を使えば簡単に行けると思っていたら痛い目に。鎌倉山の頂上までの道が無い!となって、現地で道を探すところからのスタートになりました。日中に到着して、那珂川周辺にも良い風景が無いか探してみよう・・・という気で行ったのでよかったです。夜に向かっていたら入口がわからず敗退だったかもしれません。

夜に駐車場に着いても誰もいないと、展望台まで行くのに勇気がいります。道は暗いのは当たり前。神社の鳥居や建物、石碑などがあり、初めて夜に歩く道としては怖いです。(日中に一度歩いていれば、さほど怖くは無いのですが)


鎌倉山に行く途中には「道の駅 もてぎ」があるので、休憩やトイレはこちらを利用するのが良いでしょう。宇都宮から茂木町の間には「道の駅 はが(入浴施設あり)」「道の駅 サシバの里いちかい」もあります。

鎌倉山より東側、県境を越えて茨城県になりますが、常陸大宮市にある「三王山自然公園」も雲海スポットになっています。こちらも那珂川が近くを流れています。雲海は太平洋側に出るので、雲海と海からのご来光を味わうことができますよ。


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鎌倉山 アクセスマップ(地図)

撮影スポット情報

項目Data
名称鎌倉山
ふりがなかまくらやま
住所栃木県茂木町九石
駐車場有 / 無料:5台程度
トイレ

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