日本百名山「大菩薩嶺」登山撮影ガイド(上り編) ~富士山の稜線美と南アルプスの大パノラマを堪能

富士山とダム湖の写真で人気の日本百名山・山梨百名山の「大菩薩嶺(だいぼさつれい)」。中里介山の長編小説「大菩薩峠」や、深田久弥の「日本百名山」で知名度が高く、登山でも大人気の山になっています。首都圏から中央自動車道・国道20号でのアクセスが良く、百名山の登山と富士山撮影を同時に楽しめるお得な撮影スポットです。
今回は登山の拠点となる上日川峠から山頂付近の富士山撮影ポイントである「雷岩」へのルートを紹介します。

大菩薩嶺登山口(上日川峠)までのアクセス

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大菩薩嶺登山拠点は上日川峠になっており、ここにはロッジやキャンプ場や大駐車場などが整備されています。

上日川峠までのメインルートは甲州市のJR中央本線塩山駅付近より国道411号(青梅街道・大菩薩ライン)を北上し、途中で右折し県道201号を走っていくと上日川峠に到着。最寄りのインターは中央自動車道・勝沼ICになります。

もうひとつのルートは、国道20号沿い「道の駅甲斐大和」の少し先を右折して県道218号で北上します。途中には景徳院・竜門峡などの観光スポットがあります。そのまま北上を続けると上日川ダムの横を通り、上日川峠に到着します。このルートの途中で右折すると富士山眺望スポットとして人気の大蔵高丸、ツツジと富士山が美しいハマイバ丸の登山拠点の「湯の沢峠」になります。県道218号は冬季閉鎖になるので、春・晩秋のアクセス時には通行できるかを調べてから行くようにしましょう。

上日川峠

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上日川峠に到着すると道沿いに公衆トイレ、ロッジ長兵衛(山小屋)があり、道路沿いに駐車スペースが並んでいます。上記案内板のP3の駐車場はとても広いので、道路沿いの駐車スペースに駐車できない場合はP3の駐車場を利用しましょう。公衆トイレは綺麗に整備されていました。
この先、福ちゃん荘まで道路が伸びていますが、こちらは宿客用の道路となっており、一般の車は通行できません。

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上日川峠周辺は自然観察歩道が整備されており、親水広場、展望広場などの広場があります。この周辺ではコオニユリ、カワミドリ、ヤマホタルブクロ、ノハラアザミなどの花を見ることができます。

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自然観察歩道。
ロッジ長兵衛周辺から遊歩道が始まっており、木々の中を散策することができます。

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下草が刈られた広いスペースにはベンチがあります。
テント設営用のプラスチックの大きな板が置かれていました。

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ロッジ長兵衛の周辺は「山梨県キャンプ指定地」になっています。
1人300円でキャンプ場を利用できます。管理はロッジ長兵衛さんのようです。

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大菩薩嶺登山道でよく使われる2つのルートが記載されています。

上日川峠(ロッジ長兵衛前)から、唐松尾根分岐(福ちゃん荘前)までは同じ道なので、まずは福ちゃん荘前まで30分ほど歩くことになります。そこから、唐松尾根ルート(直登)と大菩薩峠・介山荘経由ルート(迂回)の2ルートに分かれます。
唐松尾根ルートの標準コースタイムは1時間半程度、大菩薩峠経由ルートは2時間半程度となっています。

登山の場合は登りが唐松尾根ルート・下りが大菩薩峠ルート、またはその逆のどちらでも楽しめると思います。

写真撮影登山の場合は「富士山と上日川ダムの撮影ポイント」が「雷岩」付近となるので、直登の唐松尾根ルートが良いと思います。

登りは唐松尾根、帰りは大菩薩峠経由のルートで撮影しました。帰りの大菩薩峠経由ルートは雷岩から介山荘までの間、思った以上に岩がゴロゴロした急な登山道で苦労しました。

三脚やカメラなど、撮影機材の重量もあるので、帰りもコースタイムが短い唐松尾根で戻ってくるほうが体力的には良いと思います。

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こちらがロッジ長兵衛さん。
この右側が登山道のスタート地点となります。

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ロッジ長兵衛奥のP1駐車場です。

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キャンプスペース周辺は背の高い木々が多くなっています。

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登山道へ入ります。ここから福ちゃん荘までは道路が並走しています。道路を歩いても、登山道を歩いても福ちゃん荘前にたどり着くことができます。

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登山道に入ると登りが続きます。福ちゃん荘までは程よいアップダウンが続きます。

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背の高い木々が生い茂っており、上を見ると空を埋め尽くすほどです。真夏の暑い時期は下は日陰となり、直射日光を受けずに済みます。

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このような感じの道が続きます。

唐松尾根分岐(福ちゃん荘前)

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30分近く林の中の登山道を歩くと福ちゃん荘に到着します。唐松尾根ルートで頂上を目指す場合、ここから先に水場がありませんので、水やドリンクが必要な場合はここで購入するようにします。福ちゃん荘前は県指定のキャンプ場になっています。

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大菩薩の登山道案内板。
もう一度ここでルートの確認をしましょう。

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ここから2つのルートに分かれます。
今回は左側の唐松尾根ルートを選択しました。唐松尾根→雷岩→山頂というルートになります。

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唐松尾根ルートの入口はなだらかな道になっています。

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登山道周りは草の背丈が低く、整備されています。

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登山道横で花を咲かせるツツジ。

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登山道にまで枝が伸びてきています。

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富士の姿。
登山道の途中、木々の間から富士山の姿が。空に雲が無いので、撮影ポイントの雷岩に着く頃まで富士山が見えなくなることはなさそうです。この場所で富士がはっきり見えるかぼやけているかなどの判断ができます。

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少し平坦な場所に出ます。

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この辺りから登山道が急になってきて、石もゴロゴロになってきます。

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さらに高度をあげていきます。

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途中に案内板が地面に置いてありました。支柱が折れたのでしょうか?

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平坦な場所と登りの繰り返し

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雨で下が濡れている時は木の根っこに注意しましょう。滑ります。

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この登山道の前半は平らな部分があるので、程よく息が整います。

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急登のスタート。
草が生い茂る中に登山道があります。ここから急登が続きます。

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上記の急登を登ると富士山のパノラマが広がります。
この位置からは富士山はよく見えますが、まだ上日川ダムが綺麗な形に見えません。富士山が良く見えているうちに早く雷岩を目指しましょう。

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急斜面を直登。
上を見上げると登るのが嫌になったりしますが、この急登で一気に高度を稼げるので我慢です。

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富士山と上日川ダム。
先ほどより、ダムが良く見えるようになってきました。
富士山手前の三つ峠、御坂山塊の形も美しいです。

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大菩薩嶺からは南アルプスまで見えます。街並みの奥に浮かぶ残雪のアルプスの大パノラマ。
眼下に街が見えるので高度感抜群です。

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急登を終え、雷岩前に着きました。
ここから左側に10分ほど歩くと大菩薩嶺の山頂です。山頂は眺望がありませんので、富士山の撮影を終えた帰りに登頂すれば良いと思います。

雷岩

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大きな岩が横たわっています。

雷岩から大菩薩嶺山頂へ

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山頂までは平坦な道になっています。

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木の根だらけです。

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石もゴロゴロとしています。

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山頂が見えてきました。

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来た方向と逆側に向かうと丸川峠まで行くことができます。

山頂

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日本百名山・山梨百名山の大菩薩嶺(標高2,057m)に登頂です。中里介山の長編小説「大菩薩峠」や、深田久弥の「日本百名山」によって知名度の高い山になりました。大菩薩という名前は源義光が後三年の役の時に加護を願い「八幡大菩薩」と唱えたという言い伝えがあります。大菩薩嶺一帯は秩父多摩甲斐国立公園に含まれています。

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丸川峠側に降りないように注意を促す看板が設置されていました。頂上を踏んだら雷岩方向に戻ります。

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雷岩付近から眺める富士山。

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手前に岩を入れて登山感を出したショット。

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富士山・上日川ダム・南アルプスの大パノラマを魚眼レンズで撮影。

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雷岩付近の稜線上で撮影した富士山と上日川ダム。
ここからだとダムの全貌が写り、富士山や前衛の三つ峠山・御坂山塊のバランスがとても良い。

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稜線上は平坦な場所が多く、登山道にはロープが貼られている。

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大菩薩峠までは植生が少ない稜線になっています。

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特徴的な岩と富士山。

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鎖が撤去された富士見新道。
唐松尾根ルートと大菩薩峠ルートの中間に「富士見新道」という登山ルートがあります。以前はくさり場があったようですが、サビの腐食によりくさりが撤去されたようです。危険なルートのようなので近づかないようにした方が良いです。

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富士山を縦位置構図で。

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標高2,000m地点には標識があります。

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雷岩から大菩薩峠間の稜線は開けていて開放感溢れたルートになっています。

大菩薩嶺山頂から下りの行程は下記の記事をご覧ください。
日本百名山「大菩薩嶺」登山撮影ガイド(下り編) ~富士の眺望を満喫後、大菩薩峠を経て上日川峠へ

撮影スポット詳細

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