「椹平の棚田」扇状の巨大棚田に最上川の川霧が流れ込む
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山形県朝日町にある椹平の棚田は「日本の棚田百選」に選定されています。最上川の川霧と棚田のコラボレーションが美しい。
「椹平の棚田」の写真ギャラリー
椹平の棚田の概要
椹平(くぬぎだいら)の棚田は昭和16年に国策の食糧増産のプロジェクトのひとつとして作られた、比較的新しい棚田です。
緩やかな斜面に扇状に広がった棚田が特徴的で、地元の人からは「神が落とした扇の田」と呼ばれています。
扇状の美しい棚田風景、扇の中に整然と並ぶ長方形の田、奥には最上川というスケールの大きな日本の原風景がここにあります。奥に最上川があることから霧が発生しやすい地形となっており、条件が良いと朝霧漂う棚田風景に出会うことができます。
秋には収穫した稲を杭に重ねて乾燥させる「稲杭」(いなぐい)の風景を見ることができ、この光景は秋の風物詩となっています。
高台から棚田を俯瞰できる「一本松公園の展望台」、扇状棚田の一番上にある「第二展望台」と、棚田を鑑賞できる環境もバッチリそろっています。
平成11年には農林水産省の「日本の棚田百選」に認定されました。
初夏には「ヒメサユリ」の花も咲き、一年を通して風景を満喫できるフォトジェニックな棚田になっています。
椹平の棚田 撮影のアドバイス
[光の条件]
・高台の一本松公園からは西(南西)方向を撮影するので、午前中が順光となります。
・第2展望台からは南側を撮影するので、日中は逆光となります。撮影は早朝・夕方がおすすめです。
[霧]
棚田の奥には最上川が流れているので朝霧が発生しやすい地形になっています。春と秋の晴れた日の冷え込んだ早朝が狙い目です。
[装備]
・早朝の朝霧狙いの時はシャッタースピードが稼げないので三脚を利用しましょう。
・朝霧を効果的に映す(流す)のにND8などのフィルターを持っていくと良いです。
・レンズは望遠・標準・広角があると良いです。標準・望遠だけでも十分楽しめます。
[知っておくと良い椹平の棚田の特徴]
・広大な扇状棚田なので全体を構図に入れる場合は超広角レンズが必要です。
・秋には棒に稲を束ねて干す「稲杭」と呼ばれる風物詩を見ることができます。(例年9月末から10月中旬)
・田植前の水張り、秋の黄金、稲杭、雪景色と一年を通して撮影を楽しむことができます。
・扇状棚田の中にあるS字カーブの農道が美しい。
椹平の棚田へのアクセス・駐車場・トイレ情報
朝日町役場付近から県道113号を西へ。
すぐに最上川を渡る橋になります。橋を渡ったら交差点を右折して県道9号へ。
1kmほど進むと案内板が出ているので、左折して北方向へ。
400mほど進むと駐車場とトイレが右側に見えます。
秋の椹平の棚田風景
撮影ポイントの紹介に入る前に、霧の棚田風景をお楽しみ下さい。
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棚田の奥に流れる最上川。その水分によって霧が発生しやすく、棚田の奥から霧が流れてきます。
棚田の奥の人工物(家屋・電柱)などが霧によって隠れ、幻想的な風景が現れます。
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こちらは構図に空を入れたバージョン。
最上川は霧で埋め尽くされ、遠くの山のシルエットが少しだけ見えます。
淡い色の空と黄金色に染まった朝のしっとりとした棚田。
スケール感の大きな棚田と霧のコラボレーションを撮影できる貴重な棚田になっています。
椹平の棚田撮影ポイント紹介
一本松公園
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椹平の棚田の東側にはトイレと休憩所、舗装された駐車場が整備されています。
車は5台ほど駐車できるスペースがあります。仮設トイレではなく、綺麗なトイレなので撮影環境が良いですね。
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駐車場・トイレ前の道路からの風景です。
ここからは棚田を真横から見るようになります。秋には手前にコスモスが咲いていました。
この位置だと手前の木々や草が入ってしまうので、この後ろの高台にある「一本松公園」か、この写真の中央右奥にある「第二展望台」からの撮影が良いです。
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椹平棚田の由来
椹平の棚田は、元々は桑畑で戦時中に食糧増産を目的に昭和18年の秋頃から開田工事が始まりました。
現在のような大型機械がないため工事は大変で、地区民だけではどうにもならず、他の地区民と地域の学童からの協力、そして、中学校の生徒などは泊まり込みで従事しました。
こうした協力のお陰で、椹平に田植えができる水が流れてきたのは昭和20年6月の事でした。
平成11年に日本の棚田百選に選ばれ、棚田の面積は約14ヘクタール、田は190枚ほどで、25人が耕作し、地域のシンボルとして棚田を守ろうと取り組んでいます。
(以上、案内板より)
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一本松公園へのアクセス
トイレ・駐車場の横から一本松公園への遊歩道が出ています。
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ここは「ヒメサユリ」が咲く場所なので、遊歩道以外の場所には入らないようにしましょう。
トイレの建物の裏を登っていきます。
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道は整備されているので、歩きやすいです。
あっという間に高度が上がり、駐車場が下に見えるようになりました。
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階段になります。
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途中からは階段になります。一本松公園という名前だけあって、途中にも松の木がありました。
一本松公園です。滑り台・ブランコ・あづまやがあります。
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あずまやところにある大きな木が一本松です。
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公園の東屋です。
右側には大きな一本松がありました。
ベンチと大きなテーブルがあり椹平の棚田を一望することができます。
棚田は俯瞰ポイントがあるかないかが写真撮影には大きな重要要素となりますが、椹平の棚田は俯瞰ポイントが二つあるので、棚田の撮影を十分に楽しめる場所になっています。
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東屋から俯瞰した椹平の棚田の様子です。
棚田全体が見渡せるので、椹平の棚田が扇状であることがよくわかります。 奥には山がいくつも連なり山に囲まれた守られた地形になっています。
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朝日町一本松公園から眺める椹平の棚田
山形景観物語ビューポイント33 と表記されていました。
綺麗な案内板には QR コードも記載されています。
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一本松公園には水場も設置されていました。
夏はちょっと登っただけで汗だくになるので水場があるのはとても嬉しかったです。
大駐車場
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メインの駐車場(トイレがある場所)から奥に進むと大駐車場があります。奥には砂利の道がありますがその手前を右に入ると大駐車場になります。
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これが大駐車場の様子です。かなり広い駐車場なので駐車スペースに困るということはなさそうです。
第二展望台
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今度は第二展望台に向かってみます。
大駐車場の入り口の反対側に下っていく細い道があります。かなりの鋭角になるので、少し大きめの車は一度大駐車場に入ってターンしてくるのが良いでしょう。
ここから先は道が細くなるので運転に注意しましょう。
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大駐車場の前から一度下っていきます。写真のように道が狭いので対向車が来ると大変です。
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道なりに下っていくとT字路になります。
正面には民家があります。ここを右折しましょう。
道が狭く、右折する場所は側溝があり、タイヤがはまる危険性があります。出来る限り左側によって大きめに右折するようにした方が良いです。
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右折して少し走ると左にカーブする場所があります。写真の矢印のようにカーブした先の坂道を上っていくと第二展望台に到着します。
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第二展望台は二台分ぐらいの駐車スペースしかありません。その駐車スペースの前から棚田全体が見渡せるようになっています。
秋の椹平の棚田(第二展望台から撮影)
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黄金色に埋め尽くされた椹平の棚田。秋の青空に雲が流れゆく。
東北の美しい棚田風景に出会うことができました。
棚田の奥には最上川が流れ、その周辺には民家がたくさん立ち並んでいます。椹平の棚田は山奥にある棚田ではなく、地域の生活に寄り添った場所にある棚田になっています。
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第二展望台から右側を見てみると長方形の田んぼがビッシリと並んでいます。扇状の棚田ならではの美しい風景が目の前に広がっていました。
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第二展望台沿いの道路からも棚田を撮影することができます。道路脇からだと手前に稲穂を配置して、稲穂の表情をよく出すことができます。
雲が漂う櫟平の棚田
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棚田の奥、最上川で発生した霧が雲のようになって棚田の上に流れてきました。
稲穂が実り黄金色に埋め尽くされた棚田も美しいですが、所々刈り取られパッチワークのようになった棚田も味があります。
奥にはこの地域の特徴である「稲杭」を見ることができます。
秋は何回か通って撮影しても、毎回違った表情を見せてくれますね。
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椹平の棚田は撮影ポイントと棚田の距離が近いので、 現地の空気感が写真にもよく出ます。
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椹平の棚田の中には何軒か農家の建物があります。古い造りの建物なので風景によく似合い、写真に入れると良いワンポイントになります。
手前には一列に並んだ「稲杭」がありました。 椹平の棚田は複数の農家が耕作していますが、稲杭を行なっているのは一部の田だけのようです。
春の椹平の棚田
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田植えの時期の椹平の棚田です。
水が張られた棚田が広がり、最上川で発生した霧が流れ込んできます。
朝焼けの淡い空と霧の棚田の組合わせは絶景。
水張りの時期は中央のS字の農道が特に印象的。
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この日は空のグラデーションが美しく、スケール感の大きな棚田風景を撮ることができました。
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太陽が昇ると霧の動きが早くなり、棚田に霧が流れ込んできました。
椹平の棚田 アクセスマップ(地図)
撮影スポット情報
項目 | Data |
---|---|
名称 | 椹平の棚田 |
ふりがな | くぬぎだいらのたなだ |
郵便番号 | 990-1551 |
住所 | 山形県朝日町大字三中乙265 |
駐車場 | 有 / 無料 : 数十台規模 |
トイレ | 有 |