霧ヶ峰のサンピラー | 霧氷の林に空から舞い降りる天使たち

本州ではなかなか見ることができないサンピラー(太陽柱)。長野県の霧ヶ峰は標高が1,700mほどあり、気温がマイナス15度ぐらいまで下がるので、晴れた早朝にはダイヤモンドダストとサンピラーを見ることができます。天から舞い降りる光は神秘的で、夢の中にいるような特別な時間になります。極寒で厳しい自然の中での撮影になりますが、一生忘れることができない光景の一つになるでしょう。

霧ヶ峰のサンピラーの概要

長野県茅野市・諏訪市の境にある霧ヶ峰は標高1,700mほどの高原です。富士山・八ヶ岳・北アルプスなど幾つもの日本百名山の大パノラマが広がり、夏はニッコウキスゲの群生、冬は霧氷の撮影スポットとして知られています。

標高が高いことから、厳冬期にはマイナス10度以下の世界になります。本州では珍しいサンピラー(太陽柱)を見ることができ、多くの写真愛好家が撮影に訪れます。

今回はサンピラーの撮影に成功したので、当日の様子をレポートします。

霧ヶ峰へのアクセス・霧氷やダイヤモンド撮影については下記の記事をご覧ください。

霧ヶ峰と車山 ビーナスラインの霧氷とダイヤモンドダスト撮影ガイド


撮影ポイントに三脚の列が

大寒波でサンピラーが見えた時の撮影ポイントの様子です。

[ 霧ヶ峰 サンピラー 霧氷 ]

撮影日は2月の連休。土・日・月が連休で、日曜日に最高の霧氷とダイヤモンドダスト・サンピラーを見ることができました。

大寒波が到来し、1日目(土曜日)は曇天。

土曜日の朝はカメラマンが全くいない状態でした。自分もサンピラー撮影ポイントからは絵にならないだろうなぁと思いながら、ここを車で通過しました。この日は車山肩では霧氷撮影を楽しむことができました。

日曜日の早朝5時は白樺湖付近でもかなりの雪が降っていました。白樺湖からビーナスラインで霧ヶ峰に向かうと、途中のスキー場(車山高原SKYPARK)から先は車が通った跡が見えないくらいの積雪です。

しかし、しかし、みなさん気合が入っています。大寒波の時が狙い目だと知っているのでしょう。撮影ポイントは写真のような状態に。ここだけでなく、周辺にも幾つかポイントがあるので、100名ぐらいは撮影に来ていましたね。凄い!

この撮影ポイント(上記写真)より右方向には車山肩の駐車場、左方向には霧の駅(道の駅のような場所で冬季は閉鎖しています)の駐車場があるのですが、この撮影ポイントのところに路上駐車する人が続出し、警察が見回りに来る騒ぎに。

この撮影ポイントは路肩にある小さな駐車スペースで、冬は2〜3台駐車できるスペースしかありません。数台の車は停めることができますが、その周りを大勢のカメラマンに囲まれる形になるので、15分から30分ほど歩きますが、車は「車山肩駐車場」か「霧の駅」に置くのが良いでしょう。

近くにスキー場があるので、ここはスキー客の車も通ります。びっくりしますよね、夜明けから標高1,700mの道路にこんなに人が立っていたら(笑)

かなりの人数がいますが、サンピラーは太陽の動きに合わせて移動するので、カメラマンも少しずつ場所を移動しながら撮影します。なので、これくらいの人数までですと、場所が無くて撮影できなかったという事にはなりません。

ダイヤモンド富士は富士山が一つなので撮影場所が限定されてしまいますが、カラマツ林のカラマツはたくさんあるので、それぞれがメインに撮影したいカラマツを選び、そこで撮影。撮影しているとすぐにサンピラーの位置がずれていくので、また好きな木を探して移動。っていう感じになります。

この日は1時間以上サンピラーが出ていました。

霧ヶ峰のサンピラー

定番のサンピラー写真

[ 霧ヶ峰 サンピラー 霧氷 ]

この日は午前7時ちょっと前からサンピラーが出現。サンピラーはある程度太陽高度が上がってからの撮影になります。

霧ヶ峰のサンピラー撮影は、夜明前にスタンバイ。空が焼けた時は富士山の朝焼けが撮れます。朝焼けが終わったらサンピラー出現まで、カラマツの霧氷を撮影。そしてダイヤモンドダストとサンピラー撮影に入ります。

サンピラーが出現したので、まずは写してみます。サンピラーのボケを大きくするのは絞りを開放(F値を小さく)します。このショットはカラマツの写り具合などを見るために解像度の良いF9で試し撮り。

手前のカラマツ林が逆光で輝き、その奥のカラマツ林が暗いトーンになる。サンピラー撮影に最高の場所です。ここ、カラマツが植林されているのですが、サンピラーの為に作った大掛かりなセットじゃないか?って思うほど。右奥には富士山までいますし。。。

シャッタースピードは高速になります。霧の粒子が凍って宙に舞っている状態なので、桜吹雪や降っている雪を撮影する時と似ています。

シャッタースピードを1000分の1より小さくして試し撮りし、その画像をカメラモニターで見て、被写体ブレがないかチェックしましょう。


撮影時間 : 午前7時10分
シャッタースピード : 1/1600
F値 : F9
焦点距離 : 320mm



「オレンジのサンピラー」

[ 霧ヶ峰 サンピラー 霧氷 ]

午前7時の撮影です。太陽高度が低いうちはサンピラーがオレンジに写りました。サンピラーや周囲の霧氷はは明るくなるにつれて徐々に白っぽくなっていきます。

このブログに掲載している写真は色温度は5600k付近(太陽光・日中)にしてあり、現像時もそれほど色温度やトーンバランスは変えていません。


色温度をかなり変え、部分ごとに露出を変えたりして現像しているのではないか?と思われる方も多いと思いますが、露出を少し暗めにし、少しコントラストを与えるぐらいで、このブログに掲載しているような写真になりますよ。

撮影時間 : 午前7時1分
シャッタースピード : 1/1250
絞り値 : F9
焦点距離 : 400mm



「富士山とサンピラー」

[ 霧ヶ峰 サンピラー 霧氷 ]

撮影ポイントの正面奥には日本百名山 「八ヶ岳」、その右側には富士山が見えます。
霧氷のカラマツ林と富士山・八ヶ岳、そしてサンピラーを一枚の写真に入れてみました。
この撮影ポイントからだとサンピラーと富士山の位置が離れてしまいますが、富士山とサンピラーの共演を撮る事ができました。

この写真を見ると、もっと左に動いて撮影すれば富士山とサンピラーの位置は近くのでは?と思うのですが、左に移動してもサンピラーも左にくっついてくるのです。「サンピラーよ、そこで止まれ」と呪文のように唱えてもダメです(笑)

この撮影ポイントからは富士山が見えますが、富士山と霧氷を撮影するのであれば、他にも良いポイントがあるので、そちらから狙った方が良いと思います。朝、道路を走っていると、サンピラーの撮影ポイント以外で三脚を立てているカメラマンがいます。富士山と霧氷を狙っている可能性が高いので、ポイントをチェックしてみると良いです。



「サンピラーの全貌」

[ 霧ヶ峰 サンピラー 霧氷 ]

霧ヶ峰のサンピラー写真の多くは空を入れず、カラマツ林を切り撮ったものになっています。

太陽からカラマツ林まで光がどのようになっているのかは、現地で実際にサンピラーを見たことある人しかわからないと思います。

今回はサンピラーがどのようなものかをわかりやすく説明するため、太陽まで入れて撮影してみました。

奥の山の稜線の上に太陽があります。

そこから奥の山に並ぶカラマツ林に縦の光が降りてきます。奥のカラマツ林は暗く写ります。

そして手前のカラマツ林に光があたり、美しく輝きます。

これを切り撮るとよく目にする霧ヶ峰の霧氷やサンピラーの写真になるのです。


「Black & White」

[ 霧ヶ峰 サンピラー 霧氷 ]

こちらは露出をアンダー気味にして撮影した写真です。

モノクロ写真ではありませんが、かなりモノクロに近い表現になりました。

アンダーにすると、とてもシブい感じになり、大人のサンピラー写真に。

ダイヤモンドダストやサンピラーは普通の感覚で撮影すると、明るく撮りすぎになる場合が多いです。ブラケットを設定して、同じ構図で露出を変えたものを何枚か撮影しておいた方が良いですね。



「霧ヶ峰霧氷 白の世界」

[ 霧ヶ峰 サンピラー 霧氷 ]

太陽高度が上がり午前8時半過ぎになると、サンピラータイムは終了。その後はダイヤモンドダストはしばらく見ることができました。

ダイヤモンドダストが見えなくなったので、真っ白なカラマツの霧氷を撮影しました。サンピラーやダイヤモンドダストが出てしまうと、朝の良い光の時間帯にこの写真がなかなか撮影できないという贅沢な悩みが出てきます。

このカラマツ林の霧氷は本当に美しい。前後の立体感と奥の細かいカラマツ林。手前に輝くカラマツ。何度見ても惚れ惚れします。


「虹色に輝くサンピラー」

[ 霧ヶ峰 サンピラー 霧氷 ]

氷を撮影する時にPLフィルターをつけると虹色が出ます。それと同じ感じで、サンピラーを撮影中にPLフィルターを付けました。

撮影中は眩しくてモニターを見ても、あまりPLフィルターの効果がわかりません。家に帰ってパソコンで画像を開いてみると、「おおおぉ」と感動します。

PLフィルターを付けないとシルバー(白)や、オレンジ一色になるサンピラーに色が付きます。
綺麗でメルヘンチックに。

サンピラー撮影の時はPLフィルターを持っていきましょう。朝の逆光の条件でもPLフィルターは大活躍です。

霧ヶ峰のサンピラー 撮影後記

以上、霧ヶ峰のサンピラー、ダイヤモンドダスト、霧氷でした。
本州ではなかなか見ることができないサンピラー。
Instagramやtwitterを見ていると、霧ヶ峰で綺麗なサンピラーの写真が撮影できている日は年10回もなさそうです。

現地でお会いしたカメラマンは、「5回以上通ってやっと見れた」「数年かかって見ることができた」とおっしゃっていました。今回は連休に見れたので、週末カメラマンはかなりの幸運だと喜んでいました。

年間数える程しか見れないサンピラー。それが土日に当たる確率を考えると本当に奇跡に近いレベルですね。サンピラーが消える頃、撮影現場は達成感というか、幸福感というか、なんだかとても良いエネルギーに包まれていました。

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