「山梨のツツジ」撮影ガイド 〜初夏の甘利山・ハマイバ丸・乙女高原
山梨県には富士山とレンゲツツジ・ミツバツツジの共演を楽しめる撮影スポットがあります。レンゲツツジの群生で有名な韮崎市の甘利山、その中腹にある椹池、大月周辺のハマイバ丸、埼玉県境に近い乙女高原のツツジを紹介します。
山梨県ツツジ撮影マップ
甘利山のレンゲツツジの群生
山梨県でもっとも知名度の高いツツジの撮影スポットのひとつが韮崎(にらさき)市の「甘利山」。標高1,700メートル付近まで車で行くことができ、駐車場から5分ほど歩けば富士山と甲府盆地の大パノラマが広がります。山頂付近はなだらかで、登山というよりは遊歩道で散策という感じでレンゲツツジを楽しむことができます。レンゲツツジの見頃は6月初旬から下旬の間です。
山頂付近の駐車場は広く、開放的な場所です。駐車場近くには「ツツジ苑」「甘利山グリーンロッジ」などの施設があります。
近年新しいトイレが駐車場横に設置されました。
白樺とレンゲツツジに囲まれた遊歩道を歩き、撮影ポイントに向かいます。
霧がかった白樺の爽やかな林。標高が高いので6月でも肌寒いほどの涼しさです。
ツツジの咲く頃にズミも花を咲かせます。
駐車場から歩いて5分ほどの所に東屋があり、その奥が富士山と甲府盆地の展望スペースになっています。前景にレンゲツツジの群生が入った富士山の写真を撮ることができます。
夜にはレンゲツツジと煌めく甲府盆地のコラボレーション。この時期の甘利山は富士山・甲府盆地・レンゲツツジと3つの被写体を組み合わせて楽しむことができます。
甘利山は標高1,731mで山梨百名山に選定されています。南アルプス北東部の鳳凰三山(地蔵岳・観音岳・薬師岳)の前衛に位置する山です。
椹池(さわらいけ)
椹池は甘利山の中腹、標高1,230mの高層湿原に位置し、初夏にはレンゲツツジが池の島々に咲き誇り神秘的な景色となります。甘利山頂上付近へ向かう県道613号線沿いにありますが、立ち寄る人が少ない穴場スポットになっています。
山頂のレンゲツツジの群生とは全く違った趣で、緑の中に静かに佇むレンゲツツジを味わうことができます。静かな水面に映り込むレンゲツツジ、水紋に揺らめくレンゲツツジとシャッターチャンスを狙いながらの撮影を楽しむことができました。
ハマイバ丸(富士山とミツバツツジ)
山梨県大月市・甲斐市の境に山梨百名山の大蔵高丸、隣接してハマイバ丸があります。湯の沢峠から軽登山で約1時間でハマイバ丸に到着します。稜線を歩く登山道は開放的で登山撮影初心者にもオススメの撮影スポットです。
湯の沢峠駐車場から35分ほど歩くと大蔵高丸の頂上につきます。新緑が輝き、その先には富士の姿が。中間には三ツ峠・御坂峠・新道峠などの富士山撮影ポイントが見えます。
大蔵高丸の山頂から東方向を望むと、大月・丹沢の山々が連なり、その山の谷を縫うように幾筋もの雲が流れていきます。モノクロで現像してみました。
山頂は広く開放的です。ここからハマイバ丸へと向かいます。
ハマイバ丸は標高1,752mで秀麗富嶽十二景に選定されています。
ハマイバ丸山頂付近ではレンゲツツジとミツバツツジの共演を楽しむことができました。青空にツツジが良く映えます。
乙女高原
乙女高原は山梨県牧丘町にある高原で初夏にはスキー場の跡地を埋めつくすようにレンゲツツジが咲き誇ります。スキー場の中にはいくつかのコース(遊歩道)があり、頂上のヨモギ頭(標高1,725m)付近からは富士山の眺望が広がります。
乙女高原には「ツツジのコース」「草原のコース」「森のコース」がありますが、ツツジの時期なのでツツジのコースを登り、富士山の眺望を楽しみ、草原のコースか森のコースで下るのが良いと思います。
遊歩道周辺には白樺とヤエガワカンバが立っており、その木々の根元でレンゲツツジが美しく花を咲かせています。
「ツツジのコース」スタート地点から左側へ歩くと小川があり、そこには九輪草が咲いていました。初夏にはオオバギボウシ・クガイソウ・キンバイソウ・マツムシソウ・ヤナギランなどの花を観察することができます。
レンゲツツジの群生の中に立つ一本の木。
スキー場の跡地なので林と開けた空間のバランスが良く、写真撮影に適した場所になっています。
条件が良いと新緑と富士山の大パノラマが広がります。