長谷寺の桜 | 広大な境内を埋め尽くす染井吉野と山桜の共演

奈良県桜井市にある長谷寺は「花の御寺」と呼ばれる花の名所です。春にはソメイヨシノ・ヤマザクラ・シダレザクラが境内の至る所に咲き競い、その数は1,000本にも及びます。今回は長谷寺の桜をご紹介します。

長谷寺の概要

長谷寺は奈良県桜井市にある真言宗豊山派総本山の寺院です。西国三十三所第8番札所で、開基は僧侶・道明とされています。

長谷寺は初瀬山の中腹にあり、この山は牡丹の名所で4月下旬から5月上旬には7,000株もの牡丹が咲き乱れます。

「花の御寺」と称される長谷寺は桜の名所としても知られ、4月上旬から下旬まで約1,000本ものヤマザクラ・ソメイヨシノが咲き競います。

長谷寺の桜 撮影のポイント

[タイミング]
・見頃は例年3月下旬〜4月中旬

[光の条件]
・五重塔は西向き撮影なので午前中順光
・桜の良いところは西向きが多いので午前中順光

[レンズ]
・標準レンズ、望遠レンズ

[注意事項]
・三脚、一脚、脚立は境内に持ち込み禁止
・入山時間は午前8時半から午後5時

長谷寺へのアクセス

桜井市街から国道165号を東方向へ。3kmほど進むと「初瀬西」交差点があるのでそこを左折。700mほど先の左側に駐車場(有料)があります。このルートは道が狭いので一般的にはこれから紹介するルートを使います。

「初瀬西」の信号から1kmほど進むと「初瀬東」という交差点があるのでここを左折。ここは桜井浄水場があり、その左側を進みます。そのさきには初瀬ダムという小さなダムがあり、そのダムを回り込んで長谷寺の駐車場に到着します。

長谷寺の駐車場

[ 長谷寺の桜 ]

こちらが長谷寺の北側にある長谷寺専用駐車場です。70台程度のスペースがあります。1回500円となっています。

すぐに境内に入れるのでとても便利な駐車場です。

専用駐車場以外にも民間の駐車場が幾つかあります。専用駐車場が満車の時はこちらを利用するのも良いでしょう。

長谷寺の桜

駐車場から桜の絶景がスタートします。

[ 長谷寺の桜 ]

駐車場からは山の中腹にある本堂が見えます。凄い量の桜に囲まれており、期待が高まります。

[ 長谷寺の桜 ]

長谷寺はソメイヨシノとヤマザクラの両方が植えられており、色彩豊かな桜の表情を楽しむことができます。この写真のように色の違う桜を重ねて撮影することもできますよ。

[ 長谷寺の桜 ]

撮影日は快晴で、時々青空を雲が散歩しているような天気に恵まれました。巨大な寺院で境内が整備されているので木と木の間隔が丁度よく、とても撮影しやすい環境になっていました。

「トイレ」

[ 長谷寺の桜 ]

駐車場から参拝入山受付の仁王門に行く途中にトイレがあります。仁王門からは「登廊」という長い廊下を登って本堂まで行きますが、本堂や、下りルートの途中にも数カ所トイレがあります。

ここには自動販売機も置かれています。

「石碑とヤマザクラ」

[ 長谷寺の桜 ]

歴史ある寺院は石碑にも味があります。オレンジ色のヤマザクラは紅葉のような美しさ。

「宗宝堂」

[ 長谷寺の桜 ]

仁王門に行く途中の右側に朱色が印象的な宗宝堂があります。この付近はソメイヨシノが多く、青空とピンクのコントラストが綺麗です。

「長谷寺境内案内図」

[ 長谷寺の桜 ]

長谷寺は全国有数の規模の寺院になっています。参拝ルートとしては仁王門から登廊で本堂まで上がり、反時計回りに降ってくる流れになっていました。

仁王門

[ 長谷寺の桜 ]

重厚・荘厳という言葉がふさわしい仁王門は建立が平安時代で一条天皇の時代に創建されたと言われています。幾度の火災で焼失を繰り返し、現在の門は1885年(明治18年)に作られたものです。仁王門は長谷寺の総門で入母屋造です。

「仁王門正面」

[ 長谷寺の桜 ]

正面から見た仁王門。巨大な屋根が印象的です。
門の両側には仁王像が祀られています。

門の手前に入山の受付(料金所)があるので、人の流れが途切れる時がありました。人の流れが切れた時にうまく撮影することができました。

[ 長谷寺の桜 ]

こちらは仁王門の入口付近からの撮影です。石垣とヤマザクラ、そして寺院の瓦屋根、新緑まで入って豪華な写真になりました。石垣が入るのでお城の桜のような風景にも見えますね。

「仁王門から下方向を望む」

[ 長谷寺の桜 ]

専用駐車場から歩いてくると写真の左側からこの場所に出ます。ここから下に降りて行くと民間の駐車場やお土産店などが並ぶ場所になります。

長谷寺の登廊

[ 長谷寺の桜 ]

こちらが有名な長谷寺の登廊です。399段の階段があり、登り終えた先が本堂になっています。桜の時期は人が多かったので無人の登廊は撮影できませんでした。

桜や牡丹の季節を外せば、無人の登廊を撮影することができそうです。

[ 長谷寺の桜 ]

それにしても長い階段です。一段一段の高さが低いので思ったより疲れませんでした。ところどころ、左右に道が出ており、登廊から出て周囲の風景を眺めることができます。

[ 長谷寺の桜 ]

人が入ってしまうので、登廊下の屋根の部分だけを撮影。人がいない時に挑戦して望遠レンズの圧縮効果を使って撮影したいですね。

「長い階段」

[ 長谷寺の桜 ]

登廊の切れ目から左側に長い階段が伸びています。こちらの階段の写真もよく目にします。
ここからは本坊や奥の院に行くことができます。本堂を巡って奥の院を周遊すると帰りにこの階段の上側を通ります。

[ 長谷寺の桜 ]

こちらの階段も桜を絡めた撮影ができました。
この階段は人物を配置しての撮影が良さそうですね。階段のスケール感がよく出ると思います。

「階段の縦構図」

[ 長谷寺の桜 ]

階段の横からは桜、新緑、竹林などが覆いかぶさるようでした。階段の上には門のような建物が見えます。

「春色」

[ 長谷寺の桜 ]

ここは竹林と桜のバランスがとても綺麗でした。桜の中に瓦屋根が入り、風情のある桜風景になります。

「昭和寮」

[ 長谷寺の桜 ]

仁王門の左側にある昭和寮です。登廊の横にはこのような建物が幾つか点在しています。ピンク色の桜が目立ちます。

長谷寺の本堂

[ 長谷寺の桜 ]

399段の階段を上ると長谷寺の本堂になります。本堂は正堂、相の間、礼堂の3つで構成され、前側は清水寺本堂と同じ懸造(舞台造り)になっています。

本堂は奈良時代の創建ですが、室町時代までになんと7回も焼失してしまっています。現在の本堂は徳川家光の寄進により1650年に建造されたものです。

長谷寺の本尊は「木造十一面観音立像」で室町時代に造られました。10mを超える巨大な木造の仏像は国宝・重要文化財の中で最大となっています。

[ 長谷寺の桜 ]

[ 長谷寺の桜 ]

長谷寺の五重塔

[ 長谷寺の桜 ]

五重塔は本堂の西側に位置しています。桜に包まれた五重塔は午前中が順光になるので、長谷寺の桜を見に行くときは午前中がオススメです。

[ 長谷寺の桜 ]

五重塔は本堂前の舞台から眺めることができます。手前にはたくさんの桜が咲いており、その奥の杉林の前に五重塔があります。

この写真のように右側に本堂の一部を入れることができ、寺院らしい雰囲気の写真にすることができます。

[ 長谷寺の桜 ]

「五重塔縦構図」

[ 長谷寺の桜 ]

五重塔は縦構図がよく似合います。五重塔と桜のバランスがとても良いですね。

「舞台から望む桜」

[ 長谷寺の桜 ]

舞台からは広大な敷地を一望することができます。遠くに建物が点在しており、長谷寺の広大さを感じることができる場所です。

「灯」

[ 長谷寺の桜 ]

本堂の屋根からは味のある照明吊り下がっています。

「開山堂」

[ 長谷寺の桜 ]

こちらは赤いのぼりとピンクの桜が印象的で観光客が記念撮影をしていました。

「高度感」

[ 長谷寺の桜 ]

本堂から見渡す境内は街のようです。これから写真の右奥にある本坊まで降りていきます。

[ 長谷寺の桜 ]

五重塔へ向かう途中も桜が綺麗でした。この日は青空で日差しが強かったので桜が輝いていました。

[ 長谷寺の桜 ]

建物が多いので、瓦の屋根や塀が良いアクセントになります。

[ 長谷寺の桜 ]

境内にはソメイヨシノ・ヤマザクラだけでなく、枝垂桜もあります。枝垂桜はソメイヨシノより満開のタイミングが早いので、訪問したときは葉桜になってきる木もありました。

[ 長谷寺の桜 ]

こちらは枝垂桜ですが、ソメイヨシノと同時期に満開を迎えていました。正面に本堂を入れての撮影。

「桜に埋もれる長谷寺」

[ 長谷寺の桜 ]

下から見上げると建物が桜に埋もれています。巨大な寺院と桜の山に圧倒されました。

[ 長谷寺の桜 ]

一本の大きな桜の木と瓦屋根。


検索&翻訳

オススメ記事&スポット

PAGE TOP