「鳥海高原」撮影ガイド 〜新緑と残雪の美しいグリーンラインを巡る旅
東北で一二を競う美しい山「鳥海山」。その麓に広がる鳥海高原エリアには撮影スポットが数多く存在しています。
一言で鳥海高原と言っても明確な定義はなく秋田と山形にまたがる鳥海山麓の高原地帯全てと考えた方が良いでしょう。
今回は鳥海高原のメインルートであるグリーンライン沿いに広がる仁賀保高原や南由利原の風景を新緑と残雪の美しい季節に巡ります。
鳥海高原散策の起点には象潟が良いでしょう。道の駅には無料の足湯や350円で入れる展望温泉もあります。
また道の駅の裏はすぐ海になっていますので日本海に沈む夕陽も撮影できます。
手前には岩礁や小さな砂浜もあるので前景として入れることも出来ます。
また道の駅から少し南の象潟漁港に隣接する海水浴場は夕日百選にも選ばれています。
干潮時に水たまりになる場所もあるので夕焼け空を映し込むことも出来ます。
道の駅の右向かいの蚶満寺裏手からは九十九島と朝焼けを絡めることも出来ます。
道の駅から国道を約2km南へ走ると「にかほ市役所象潟庁舎」の標識が出てきますのでここを左折します。
あとはまっすぐ走るだけで鳥海グリーンラインに合流します。
先程の分岐から10km走るとパノラマ展望所が左手に見えてきます。
展望所からは象潟や金浦まで見渡せます。
夕刻は海に沈む夕日を俯瞰できます。
なおここに来るまでの間に水田も多くありますので気に入った場所で撮影できます。
展望所から2.3kmで仁賀保高原の入口が見えてきます。仁賀保高原は風車と鳥海山を絡めるのによい場所です。
先程の入口を左折して1.5kmでキャンプ場への入口があります。
この入口手前からは長谷地溜池が東方向に望めるため朝焼けの撮影が可能です。
ただし周辺の木々がかなり邪魔で見通しは良いとは言えません。
キャンプ場入口から800m程でサイクリングターミナルのある「ひばり荘」に着きます。
ここから徒歩かレンタサイクルで仁賀保高原を散策できます。
案内板がありますので散策する時は事前に確認しておくとよいでしょう。
少し歩くだけで鳥海山と長谷地溜池の眺望のよい場所が出てきます。
なお長谷地溜池は近づくほど展望が悪くなっていきます。
さらに1km行くと土田牧場があります。ソフトクリームが一押しです。
牧場風景と朝日を絡めても良いかもしれません。
先程のキャンプ場入口まで戻ってキャンプ場に入り無人の管理棟の左側の砂利道をまっすぐ行くと溜池があります。
キャンプ場入口から500mでヘラブナ釣りの桟橋が見えてきます。駐車スペースも手前にあります。
この溜池は新田堤といい風車と鳥海山を水面に映しています。
桟橋の上からの撮影となります。午後の撮影が良いでしょう。
反対方向には風車がたくさん並んでいます。
次に仁賀保高原入口からグリーンラインを1.4km進むと大潟池への入口となる「山菜の里山」の標識が見えてきます。
右折してすぐ料金所が出てきます。ここは山菜取り以外の人でも1000円払わないと林道に入れません。
ただし山菜シーズンの終わる6月初旬以降は無料で通行できます。
大潟溜池へは林道をまっすぐ進みます。分岐がいくつか出てきますが左折しないでください。
最初に左手に見えてくる池は琵琶沼で電線が入るため撮影に向きません。
入口から1.5kmで大潟溜池に着きます。3~4台分の駐車スペースがあります。
撮影場所は湾状になっているため比較的水面が止まりやすいです。
撮影は午前中がお奨めです。
山菜の里山入口に戻って600m程行くと上坂地区の水田が右手に広がっています。
この辺りの水田は鳥海山を絡めて撮影するのに適しています。早朝がお奨めです。
そしてさらに900m程走ると冬師湿原入口の標識が出てきます。
冬師湿原には鳥海高原で一二を競う美しさの扇谷地溜池があります。
右折してすぐ山菜取り用の料金所がありますが他県ナンバーで写真を撮るだけの人は無料で林道を利用できます。
扇谷地池にはまっすぐダート道を進みます。
ちなみにここを右折して少し走ると十八森池という小さな池があります。
非常に美しい池だったのですが現在は地形が変わってしまったためこのような構図でしか撮影できません。
嘘みたいな話ですが赤枠で囲った部分が台風の強風で湖岸から剥がれて池の真ん中に移動し最適な撮影場所の展望を奪ってしまいました。
先程の料金所から1.7km走ると扇谷地池の広場に到着します。さらにまっすぐ行くとモトクロス場があります。
展望台も設置されています。展望台からは電線の下を切り取るように撮影します。
湖畔沿いから見た早朝の扇谷地池と残雪の鳥海山です。
鳥海高原から鳥海山を見る場合南南東の撮影となるため夕刻よりも早朝の方が適しています。
展望台から撮影するとこのような風になります。完全なミラーレイクではありませんが空気は非常に澄んでいました。
次の日にも撮影に行きましたが今度は抜けがいまいちでした。なかなかうまくいきませんね。
湖畔の右奥にも撮影出来る場所がありまが水草が多いです。
おまけですが先程の冬師湿原入口に戻って500m先の冬師集落の県道312号を2km程進むとカーブの右側に林道があります。
ここを入っていくと溜池があります。
野際溜池といいます。朝でも夕刻でも撮影に適しますが鳥海山の上部しか見えません。
次は南由利原に向かいます。冬師湿原入口から3.5km走ると釜ヶ台の四差路が出てきますので右折します。
なおここを西目方面に直進して2km程で四角井戸溜池があります。桜と鳥海山を絡められる溜池です。
釜ヶ台の四差路を右折してグリーンラインを2.6km走ると大谷地池の第一展望台が左手に見えてきます。
展望台の駐車場には15台程停められますがトイレはありません。
展望台からの眺めは木々に遮られています。
ですがここから100m程行った所にサイクリングロードの入口がありここに車を停めて堰堤から撮影できます。
さらに700m程走ると右手に由利高原オートキャンプ場が見えてきますのでここからの方が歩く距離が少なくて済みます。
キャンプ場は夏場しかオープンしていないので入口付近の路肩に駐車可能です。
ここからすぐに堰堤に出られます。広すぎて場所取りの心配はまったくありません。
大谷地池は鳥海高原で最も大きな溜池なのでミラーレイクになる可能性も一番低いです。
こちらの写真は夕刻に左端から撮影しました。5月上旬には中島にツツジが咲きます。
なお一番近いトイレは700m先の南由利原高原の駅「やまゆり」にあります。
ここから1km走ると桃野地区の菜の花畑への入口が右手に見えてきます。菜の花祭り第一会場です。
入口から2km程で駐車場に着きます。祭り期間中は一方通行です。
菜の花会場からは鳥海山と菜の花畑がセットで撮影できます。
菜の花の見頃は例年5月中旬頃です。
テント等の人工物を写したくない場合は祭り期間終了後に訪れると良いでしょう。
テント等は最終日に撤去されます。
祭り期間が終わって1週間後の状況です。菜の花は比較的足が長いです。
帰り道は標識に沿って矢島方面に進みます。
駐車場から2.4kmでグリーンラインに合流しますので右折します。
そして1.8km走ると花立牧場公園「ミルジー」が見えてきます。
さらに800m進むと高原の駅「花立クリーンハイツ」に着きます。
菜の花会場に寄らなければ南由利原高原の駅から約6kmの行程です。
ここには観光案内所があり桑ノ木台湿原のレンゲツツジの開花状況を知る事が出来ますしシャトルバスも運行されています。
桑の木台湿原の撮影ガイドについては別ブログに掲載していますので参考にしてください。