「神戸岩(かのといわ)」 〜神の通り道と言われるパワースポット、重厚感ある峡谷と滝
東京都の天然記念物に指定されている神戸岩は近年、パワースポット・アドベンチャースポットとして注目されています。重厚感ある高さ100mほどの絶壁、その中を流れる川と滝は被写体としても魅力十分。東京都とは思えないような豪快な風景が味わえる撮影スポットです。
神戸岩について
神戸岩は東京都で離島を除く唯一の村である「檜原村」にあります。この地域は秩父多摩甲斐国立公園の一部で東京都の奥座敷とも呼ばれています。
神戸岩は高さ100m、長さ60m、その間の谷底は幅4mほどの峡谷になっており、これは硬質なチャート層が侵食に耐え、このような形になったと考えられています。
神戸岩へのアクセス
神戸岩へはあきる野市から西方向、檜原村役場を目指します。檜原村役場の先でT字路になっているのでそこを右折します。T字路には日本の滝百選の「払沢の滝」の案内があるので、払沢の滝方面へ向かうようになります。神戸岩は払沢の滝入口からさらに奥に進んだ場所にあります。
道なりに進んでいくと右側に郷土資料館があり、ひのはらユースホステルを過ぎたところで右折します。ナビでは「神戸国際ます釣場」「ロッジ神戸岩」を入力するとわかりやすいです。ロッジ神戸岩からさらに奥に進んでいくと右側に神戸岩の駐車場があります。
神戸岩・駐車場
道路の右側に駐車スペースがあります。約10台ほど駐車できるスペースです。紅葉の時期でしたが早朝に訪れたため、他に1台しか車がいませんでした。3時間ほど滞在しましたが、車5台とバイク2台がきたぐらいでした。日中はもっと多くの人が来ると思うので10台の駐車スペースは満車になる可能性があります。
駐車場には公衆トイレが整備されています。
神戸岩入口へ
神戸岩の入口へはほんの少しだけ道路を歩きます。正面には大きな岩壁が見えています。
ガードレールの右側は渓流になっていました。
左側に神戸岩の石碑と案内板ががりました。早朝で陽が入っていないので、とても重厚で神聖な感じがしました。
遊歩道入口の先は橋になっています。この先にトンネルがあり、このトンネルを潜ると神戸岩の裏側にいくことができます。はしごや鎖場が怖い場合は、トンネルを通って逆側から神戸岩を見ることができます。
トンネルの中はライトが無く、真っ暗です。中でカーブしているトンネルなので少しの間、何も見えない真っ暗な状態になります。懐中電灯やヘッドランプを持っていくと良いでしょう。少しの距離なので、スマホのライトでもなんとかなると思います。
ガードレールの切れ目から神戸岩への道がスタートします。滝とその横にはしごが見えます。
三脚を持っていく場合は、三脚ケース、またはザックに固定できるようにしていったほうが良いです。ハシゴの先も鎖場になっているので両手が使えるようにしておきましょう。
いきなりこのようなアトラクション状態になります。
手前の岩から右方向の木の橋へと移動します。木の橋を渡り終えると、ハシゴになります。
これが木の橋です。橋というより真っ二つに割った木材が鎖で繋いであるだけです。
すごい不安定です。これ油断してると川に落ちます。
しっかりと固定されていると思って乗ったらフラフラでびっくりしました。朝から目が覚めます。
カメラ・レンズ・三脚の装備で重たいザックを背負っているとバランスを崩して危険です。
ゆっくりと片足をのせて揺れ具合を確認してから進むようにしましょう。
滝の横の階段です。
なかなかの角度でスリルがあります。
それほど長さはないので、ゆっくりと登れば大丈夫です。左右に鎖がありますが、できる限りハシゴを手で掴みながら登ったほうが良いです。
鎖やロープはあくまで補助的なものと考えましょう。鎖やロープに頼ってしまうと万が一切れた場合にアウトです。
滝の横をハシゴで登るっていうのがいいですね。冒険している気分になります。
濡れていると足元が滑るので、登山靴で行くのが望ましいです。スニーカーは裏が滑りやすいものがあるので危険です。
道路から見える場所なのですが、どこか険しい山に登山に行ったような感覚になるのが面白いです。
ハシゴを登って岩の上から遊歩道入口を望んでいます。
ガードレールのところが遊歩道入口、正面が橋、左側がトンネルです。
ハシゴを覗き込むとこんな感じです。高所恐怖症の人は厳しいかもしれません。
ハシゴを登り終えると、今度は岩に打ち込まれた鎖を伝って進みます。ここからはずっと鎖場ですね。
足場が狭いので気をつけましょう。高さはそれほどない場所ですが、落下したらそれなりに大怪我します。
三段の鉄のハシゴ。
今度はこのハシゴを登ります。ここは高さがないので、怖さはあまりありません。
三段のハシゴを越えるといよいよ神戸岩の核心部へ。
洞窟のような空間。
ずっと鎖が続いています。よく見ると中央部分に鉄製の側溝の蓋のようなものが浮いています。これからあの上を歩くことになります。
この辺りは少し広くなっていますが、自然の岩の上なので油断は禁物です。
三脚を使って撮影するには良い場所でした。他はひとりがやっと通れるほどの幅しかないので、他に人が来るとすぐに道を開けなくてはいけません。
岩の間を水が流れています。岩の切れ間から外の木々に当たる光が見えます。
岩の中は光が入らず、NDフィルターをつけなくとも1秒ほどのスローシャッターを使って撮影することができました。
神戸岩の撮影は「標準レンズ」「広角レンズ」の2本体制が良いと思います。広角レンズが無い場合は標準レンズでも十分に楽しめます。このブログの写真は全て標準レンズ(フルサイズ24-70mm)で撮影しています。
両側から迫り来る壁。
黒い岩は重厚感があり、木々の緑が映えます。
よく側溝のフタに使われているものが浮いています。
この上を渡って奥に進みます。
かなり細くなっている足場。
ここが足場が少し広くなったところです。
奥から来る人がいた場合、ここですれ違うことになります。
奥に滝が見えてきました。
後ろを振り返ってみると天然の巨大な門が見えます。
神の通り道という名がふさわしい、神秘的な空間。
振り返ってみると、完全に浮いているように見えますね。危険箇所には鎖が整備されているので、それほどの恐怖は感じませんが、ここ、鎖がなかったら厳しい場所です。
川幅が細い場所に木が引っかかっていました。
覗き込むと高度感があります。
「天然のアート」
岩の額縁の中に輝く緑、その中央に存在感のある滝が。
滝と神戸岩を走り抜ける流れが美しい。
岩の写真を狙って訪れましたが、重厚感のある滝や渓谷風の写真が撮れて嬉しくなりました。
神戸岩 撮影後記
奥多摩周辺の紅葉撮影をしている時に神戸岩に寄ってみました。
ここは何年か前に出会った方に「東京にもこんな良いところがあるよ」と写真を見せてもらったことがあり、一度行って見たいと思っていた場所でした。
前日に近くの日本の滝百選「払沢の滝」に行った時は観光客が多かったので、神戸岩も人が多いと思い、午前7時ごろに到着するように向かいました。
午前10時頃まで撮影をしましたが、10名ぐらいが来ただけで、のんびりと撮影することができました。パワースポットとして知名度が上がってきているのでゆっくり撮影するのは難しいと思っていましたが、予想が外れ、静かな撮影となりました。
岩の切れ目の中は追い越し、すれ違いが難しいので、写真撮影は早朝か夕方が良いと思います。