「奥入瀬渓流」撮影ガイド(下流編) 〜石ヶ戸休憩所から奥入瀬の代名詞・阿修羅の流れを経由し玉簾の滝へ
奥入瀬渓流の下流側の駐車場は石ヶ戸(いしけど)休憩所になっており、そこから上流へ向かうと馬門(まかど)岩、阿修羅の流れ、九十九島、飛金の流れ、雲井の滝、玉簾(たまだれ)の滝があります。玉簾の滝付近にはトイレがあり奥入瀬渓流の中間地点となっています。
奥入瀬渓流の下流は緩やかな流れが多くなりますが、阿修羅の流れなどダイナミックな撮影ポイントもあり、渓流撮影を満喫できるコースです。
石ヶ戸(いしけど)
ケドはアイヌ語で小屋を意味します。石ヶ戸は奥入瀬渓流下流の観光拠点となっており、駐車場、ビジターセンターが整備されています。
石ヶ戸休憩所です、この建物に隣接して大きなビジターセンターがあります。ハイキングの前に奥入瀬渓流散策の情報をここで入手しましょう。
石ヶ戸にはバス停もあります。奥入瀬渓流では、下流の焼山から十和田湖畔の子ノ口までバスが走っており、要所要所にバス停があります。バス停は「焼山」→「紫明渓」→「石ヶ戸」→「馬門岩」→「雲井の滝」→「雲井林業」→「銚子大滝」→「子ノ口」になっています。
奥入瀬歩道案内図。
現在地から十和田湖に向かって遊歩道が伸びているのがわかります。
石ヶ戸のビジターセンター裏から渓流沿いに出ることができ、ここから渓流散策が始まります。
奥入瀬の生い立ちが記載された看板がありました。
渓流を歩いていると木にネームプレートが付いており、何の木かわかるようになっています。
石ヶ戸周辺は奥入瀬渓流の下流になっており、流れは穏やかです。川のなかに小さな島が点在し、その上から木々が伸びているのが印象的です。
石ヶ戸の岩
大きな岩の一方がカツラの木に支えられています。昔、鬼神のお松という美女の盗賊がここを住みかとし、旅人から金品を奪っていたという伝説が残されています。
石ヶ戸のある場所から雲井の滝までは約3kmになっています。渓谷は全長14kmほどあり、遊歩道の整備された部分でもかなりの距離があります。散策は距離と時間と体力と相談しながらプランを立てましょう。
渓流のベンチ。
雨上がりで渓流は濁っていました。
夏鳥。
キビタキ、オオルリ、エゾムシクイ、アカショウビンなどの野鳥が生息しています。
苔のベンチ。
所々にベンチがありますが、苔に占領されてしまっており、座ることができません。風景と一体化したアート的なベンチになっています。
この辺りは川幅が広く、静かな流れになっています。
道路と並走する遊歩道。
道路と遊歩道と渓流が並走している場所です。奥入瀬渓流は車のアクセスがよく、整備された遊歩道があり、撮影環境はとても良いです。
石ヶ戸の瀬
ビジターセンターからしばらくの間は穏やかな流れが多いですが、徐々に瀬になっている場所が現れてきます。
スローシャッターで撮影すると水が白い布のようになり、美しい渓流の写真になります。晴れた日だと光の当たった部分が白飛びしてしまうので、奥入瀬渓流の撮影は曇天の時が良いかもしれません。晴れた日は木漏れ日狙いが良いと思います。
倒木横たわる渓流。
馬門岩(まかどいわ)
しばらく歩くと馬門岩という巨大な岩場が現れます。
道路沿いで迫力ある姿を見せてくれます。
馬門岩の横から大きな木が岩と背を競うように伸びています。
岩を過ぎると馬門橋があり、ここから対岸に渡ります。この先には奥入瀬渓谷の代名詞となっている阿修羅の流れがあります。
阿修羅(あしゅら)の流れ
阿修羅の流れの案内板が見えてきました。期待が膨らみます。
前日が雨だったので、かなりの水量でした。大きな岩がゴロゴロしており、いくつもの方向から水が流れ込み複雑な流れになっています。
阿修羅の流れを迫力ある構図で。
滝をメインに撮影するとより迫力がある写真になります。
白布の滝(しらぬののたき)
白布の滝は遊歩道から渓流を挟んだ反対側に位置し、近づいての撮影はできません。
白布という名にふさわしく、森の中の絶壁を静かに水が流れ落ちていました。
雲井の滝(くもいのたき)
雲井の滝は道路の反対側の山の斜面にある滝で、白布の滝の対面に位置しています。落差のある三段滝になっており、滝のすぐ近くまで行くことができます。雲井の滝から10分ほど山道を登ると双竜の滝があるそうです。
雲井の滝に木漏れ日が差し込み、滝が美しい輝きを放っていました。
緑の遊歩道。
木々が左右にリズミカルに配置された場所でした。
水際の倒木。
渓流を守る木々。
木漏れ日に輝く休憩場。
苔が美しいテーブル。
横には渓流の静かな流れが。
ここにも苔むしたテーブルが。
写真を撮ったり見て楽しむ人が多いのか、観光客が利用した形跡がありません。
S字カーブ。
木を観察しながら歩くと、美しい樹形の木を発見することができます。
白銀の流れへの入口。苔むした階段を登っていきます。
階段を登ると渓流の中にある島に出ます。
白銀の流れ(しろがねのながれ)
高い位置にある遊歩道から渓流を見下ろします。
リズミカルな流れが心地よい場所で、スローシャッターでの撮影が良く似合います。
石で作られた手すりは苔むして、味のある雰囲気を醸し出していました。
白銀の流れは奥入瀬渓流らしい写真が撮影できる場所です。撮影していると木漏れ日が差してきました。
水分の多い沢沿いや雪解けの遅い日陰側の斜面などにはトチノキとサワグルミを中心とした林ができます。
白銀の流れを抜け、森の中を歩く。
初夏の花。
オニシモツケ、ミヤマカラマツなどの花を見ることができます。
大きな岩が点在する雲井の流れ。
味のある倒木が渓流の中に。
森の中から道路へと。
雲井の滝から1km地点。中間地点の玉簾の滝まであと2km。
道路と並走している遊歩道が再度森の中へ。
背の高い木々。
森の木々たち。
木漏れ日揺れる瀬。
S字カーブ。
雲井の滝と玉簾の滝の中間地点まできました。この2つの滝の間だけで3kmほどの距離があり、歩きごたえがあります。
渓流と並走する長い散策路。
トイレ
玉簾の滝付近にトイレがあります。石ヶ戸と子ノ口の間にはここしかトイレがありません。
木漏れ日に光輝く渓流。
玉簾の滝
玉簾(たまだれ)の滝は奥入瀬渓流の中間地点。滝は道路側の岩を流れ落ちている、小さく静かな滝です。ここは「雲井の流れ」というバス停と先ほど紹介したトイレがあります。
奥入瀬渓流の下流散策は石ヶ戸からここまでを往復する(歩いて戻る)か、ここからバスで石ヶ戸まで戻るかのどちらかの選択になります。体力がある場合はここから銚子大滝へ向かい、銚子大滝からバスで石ヶ戸まで戻るプランも考えられます。時間に余裕がない場合、上流の撮影は銚子大滝に絞るのが良いでしょう。