「奥入瀬渓流」撮影ガイド(上流編) 〜 十和田湖子ノ口から銚子大滝を経由し玉簾の滝へ

Camera : NIKON D7100 | レンズ焦点距離 : 36mm(APS-C : 24mm)

奥入瀬渓流は十和田湖東岸の子ノ口から始まっています。奥入瀬渓流最大の滝でシンボル的存在の銚子大滝、九段の滝、姉妹の滝、双白髭の滝、白絹の滝など見所が多い上流部分のコース紹介です。

十和田湖 子ノ口

[ 十和田湖 子ノ口 ]

奥入瀬渓流は十和田湖の子ノ口から始まります。ここから焼山までの14kmの区間の流れが奥入瀬渓流になっています。子ノ口は遊覧船乗場・バスターミナル・売店などがあり、十和田湖の観光拠点のひとつです。

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子ノ口橋。
遊覧船乗場から橋を渡り信号のある交差点に向けて歩きます。

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橋を渡りきった左側、信号のところに奥入瀬渓流入口の案内板があります。

[ 奥入瀬渓流 ]

子ノ口からしばらくは流れが止まっているような場所になります。この先に水門があるので、小さなダムのようになっています。

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奥入瀬渓流遊歩道の入口です。

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渓流のすぐ横の道を歩きます。

[ 奥入瀬渓流 ]

今回は子ノ口から玉簾の滝まで歩きます。約3kmの距離です。

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遊歩道利用の注意看板。

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遊歩道の右上には道路が通っています。

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十和田湖の水草。
十和田湖は水深が深く、水草の生育にはあまり適していません。
それでも遠浅の宇樽部や大川岱などのこうした浅瀬にはヒロハノエビモやバイカモ、エゾノヒロムシロ、センニンモなどが繁茂していて、水鳥などの格好の餌場になっています。バイカモは下流の馬門橋付近でもみられます。

[ 奥入瀬渓流 ]

緑の水鏡。

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十和田湖の水利用

奥入瀬に流す水の量や時間、流す季節などはこの水門によってコントロールされます。
もともと湖水の流出は奥入瀬だけなのですが、実は青橅(あおぶな)に取水口が設けられ、そこから山の中のトンネルを通って焼山の十和田発電所まで水が引かれています。
水はそこで発電に使われ、下流にあるいくつかの発電所をさらに経由したのち、最後は農業用水として利用されます。
十和田湖を貯水池として、奥入瀬に流れる水をコントロールすることで観光と発電、そして灌漑という3つの利用を可能にしています。

子ノ口水門

[ 奥入瀬渓流 ]

白い建物が印象的な子ノ口水門。

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水門の先からは流れが出て、渓流らしくなります。

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森の中の遊歩道。

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少し歩くと道路に出ます。奥入瀬渓流は道路・遊歩道・渓流が並走している感じで、ところどころで道路に出ることができます。

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緑に包まれた橋。

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渓流が側に。
渓流が遊歩道のすぐ横を流れています。

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渓流を眺めるベンチとテーブル。
小さな瀬があり、休憩できるスーペースが設けられていました。

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遊歩道の横を車が走っていきます。
写真で見ると車の走る音がして、静かな渓流の雰囲気を味わうことができなそうですが、遊歩道が道路から少し離れたところでは、近くを車が走っていることを忘れ、静かな森の中の渓流を味わうことができるようになっています。

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遊歩道を塞ぐ倒木。
遊歩道は整備されていますが、自然の中なので倒木などがあります。

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子の口から700m、銚子大滝まで900m地点。
奥入瀬のシンボルである銚子大滝まで1kmを切りました。

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この辺りは川幅が広くなっています。

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「ケヤキ」
今は街路樹としてとても馴染み深いケヤキですが、木目が美しいことから、かつては銘木として盛んに伐り出され、家具や建材などに使われました。
このあたりも江戸時代からすでにケヤキの巨木が伐り出され、大きなものは残っていません。
現在、こうしてところどころにみられるケヤキは実はその末裔なのです。

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合体したケヤキ。
根元付近は一つで、途中から二股に分かれています。

[ 奥入瀬渓流 ]

渓流の中に岩があり、いよいよ奥入瀬らしい雰囲気に。

[ 奥入瀬渓流 ]

岩に苔が生え、周囲は一面緑の世界。

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遊歩道横の大きな岩。

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岩にはシダの葉が生えていました。

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遊歩道から見る瀬。
瀬になっている場所がところどころにあるので、スローシャッターで撮影すると渓流が白い布のような美しい流れになります。

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「橋」
一度道路に出て橋を渡ります。

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子の口から1km、銚子大滝まで500m地点。

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大きな岩、浮島などが見えます。

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百両橋

五両の滝

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奥入瀬渓流には滝が多く点在しています。
滝の近くには案内板が立っているのでわかりやすいです。

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五両の滝は幅があり、真ん中に岩が飛び出ています。
渓流沿いの小さく静かな流れです。

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道路沿いを歩く。

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この辺りは道路沿いを歩きます。道路と川幅が同じぐらいになっています。

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木漏れ日が美しい奥入瀬の道。

銚子大滝

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上流部分の最大の見所となっている銚子大滝。

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銚子大滝付近にはバス停があり、バスでも滝の近くまでアクセスできるようになっています。

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銚子大滝付近には8台程度の駐車スペースがあります。台数が少ないので混雑している時には駐車は難しいです。

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銚子大滝バス停付近の様子。

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バス停から銚子大滝までは100mほど。

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観光客が多い場所なので、特に遊歩道が綺麗に整備されています。

[ 奥入瀬渓流 ]

銚子大滝を横から眺める。

[ 奥入瀬渓流 ]
Camera : NIKON D7100 | レンズ焦点距離 : 36mm(APS-C : 24mm)

銚子大滝全景。
長方形で形の整った美しい滝です。

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滝の横は階段になっています。

[ 奥入瀬渓流 ]
Camera : NIKON D7100 | レンズ焦点距離 : 36mm(APS-C : 24mm)

銚子大滝の案内板と滝の記念写真。

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幹がボコボコとした面白い木。

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「魚止めの滝(銚子大滝)」
銚子大滝は奥入瀬本流にかかる唯一の滝で、高さがおよそ7m、幅が20mほどあります。
ほぼ直角に切り立っているため魚類がこの滝を上れず、十和田湖にはかつて魚が全く住んでいなかったといわれます。
滝の名の由来は、十和田湖を銚子(とっくり)に見立てた場合、この付近がその注ぎ口にあたるということらしく、十和田湖と奥入瀬、そしてこの銚子大滝の関係をとてもよく表しているように思えます。
滝のすぐ下で合流している寒沢の流れに沿って、昔は魚道が作られたこともあったそうです。

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大きな岩が多い場所。
滝の周辺は岩が多くなっており、滝ができやすい場所であることを感じます。

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「奥入瀬渓谷の賦」
近代日本作家・詩人の佐藤春夫氏の碑。

奥入瀬渓谷上流部・中間地点

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玉簾(たまだれ)の滝まで1.4km地点。ここまでで約半分の距離を歩いたことになります。

[ 奥入瀬渓流 ]

森の中の苔むした橋。

[ 奥入瀬渓流 ]

巨大な岩。

九段の滝

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案内板の先に滝が見えてきました。

[ 奥入瀬渓流 ]

落差が15mほどの滝で、黒い岩肌が特徴的です。
岩が段になっており、そこに流れる水が跳ねる姿が美しい。

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より渓流らしい雰囲気に。

[ 奥入瀬渓流 ]

少し長い瀬がありました。
水の流れと木漏れ日の陰影が美しい場所で、上流部分ではオススメの場所のひとつ。

[ 奥入瀬渓流 ]

魚眼レンズで瀬の全体を撮影。

[ 奥入瀬渓流 ]
Camera : NIKON D7100 | レンズ焦点距離 : 18mm(APS-C : 12mm)

上を見上げると木々の葉の間に太陽が。

姉妹の滝

[ 奥入瀬渓流 ]

姉妹の滝は2つの滝が並んでいます。

[ 奥入瀬渓流 ]

2つの滝入れて撮影。
手前に木が入りますが、二つの滝を写真に入れることができます。

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「カエデの仲間」
奥入瀬沿いにはたくさんのカエデ類が生育していますが、その多くが色鮮やかに紅葉する種類です。秋には渓流を美しく彩り、訪れた人の目を楽しませてくれます。
この辺りには奥入瀬で最も一般的な、ヤマモミジ、オニイタヤ、ハウチワカエデなどが見られます。ハウチワカエデは天狗の団扇、ヤマモミジはいわゆるモミジ、オニイタヤはカエルの手のひらのような形をしているのが特徴です。いずれも赤や黄色に美しく色づくものばかりです。

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玉簾の滝まで700m地点。

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渓流の中の島。
ここは流れが2つに割れていました。

双白髪の滝

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この周辺には滝がいくつかまとまって存在します。

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黒い岩を細い糸のような水が流れ落ちる姿は白髪を思わせます。
水量はとても少ない滝になっています。落差は20mほどです。

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渓流と同じ高さの休憩場所。

白糸の滝

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白糸の滝は遊歩道から対岸に位置する滝で、高さは30mほどになります。

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奥入瀬渓流と木々の中に上品に流れ落ちる滝の姿を撮影しました。
この滝は渓流と組み合わせることができます。

[ 奥入瀬渓流 ]

奥入瀬渓流は湿度が高いので木漏れ日が差し込むと光芒が出やすい環境になっています。渓流をスローシャッターで撮影するためにNDフィルターを付け、そのまま道路を走るバスをスローシャッターで撮影すると光芒の中に赤いブレーキランプのラインが映りました。

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「氷と雪の造形」
奥入瀬の冬はとても厳しく、凍てつくような空気と深い雪が人々の足を遠ざけます。
谷の両側にかかる滝は青く透明な氷の柱となり、渓流の岩も白い綿帽子を被って、一年で最も静かな季節を迎えます。
その静けさに誘われたかのように姿を表すのが動物たちです。
ニホンカモシカやキツネ、タヌキ、ノウサギ、テンなどたくさんの足跡が雪の上にしるされます。
厳冬期はまた、このような素晴らしい冬景色や動物たちとの出会いの場でもあるのです。

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玉簾の滝まで300m地点。

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「コケの仲間」
日のあまり差し込まない奥入瀬の谷では、コケやシダの仲間がとてもよく目につきます。奥入瀬特有の美しい景観も実はそうしたところに、大きな秘密が隠されているのです。
特にコケ類は種類が豊富で、その数はおよそ二百数十種類にのぼるといわれます。
このあたりの石垣や岩の上にもエビゴケやネズミノオゴケ、ジャゴケハイヒバゴケ、トヤマシノブゴケなどがびっしりと隙間なく張りついています。

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「シダの仲間」
シダ類の多くは日陰と湿気を好み、ときには大群落をつくります。渓流沿いの森はどこも鬱蒼としていて、シダにとっては最適の環境であることから、コケの群落と共に奥入瀬を代表する植生となっています。
道路向かい側にはこのあたりのシダ類で最もポピューラなオシダ、ジュウモンシダ、リョウメンシダ、サカゲイノデなどが見られます。

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トイレ付近の休憩スペース。

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遊歩道中間地点のトイレ。
奥入瀬渓流散策の拠点となる「子の口」と下流部分の「石ヶ戸」の中間地点になります。

玉簾の滝

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玉簾の滝は道路沿いにある滝で、簾のような形であることからこの名が付けられました。

[ 奥入瀬渓流 ]

苔むした末広がりの岩を静かに水が流れ落ちます。

撮影後記

奥入瀬渓流の上流の散策は「銚子大滝」がメインとなります。この他に写真の被写体として良い滝は下流の「雲井の滝」です。奥入瀬の流れを主として撮影するのであれば下流の「飛び金の流れ」「九十九島」「阿修羅の流れ」が良いと思います。

下流の散策は下記のブログ記事をご覧ください。
奥入瀬渓流」撮影ガイド(下流編) 〜石ヶ戸休憩所から奥入瀬の代名詞・阿修羅の流れを経由し玉簾の滝へ

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