東洋のナイアガラ「吹割の滝」撮影ガイド 〜豪快に音を立ててV字谷に流れ落ちる水しぶき
群馬県沼田市にある吹割の滝は東洋のナイアガラと呼ばれ、観光滝として人気の高い滝です。近年は国内だけでなく、アジアからの旅行客も多く訪れる場所になりました。火山の噴火によってできた巨大な凝灰岩を削り取るような流れ、水しぶきの迫力は圧巻。新緑と紅葉の時期は特に美しい景観になります。
吹割の滝へのアクセスと駐車場
吹割の滝のアクセスは関越自動車道・沼田ICから国道120号を東方向に向かいます。120号沿いにたくさんお店や駐車場が並んでいる場所があるので、迷うことはないでしょう。滝の遊歩道入口に近い場所はお土産店の無料駐車場になっており、よろしければ帰りにお土産を買って下さいというスタイルになっています。駐車してみたところ、強引な勧誘などはありませんでした。市営の無料の駐車場は遊歩道入口の下側、川にかかる橋を渡ったカーブの所になります。
遊歩道入口
写真の信号のところが吹割の滝遊歩道の入口です。遊歩道入口の看板が設置されています。
遊歩道の入口に入るとすぐに下り坂になります。息をあげて登ってくる人たちとすれ違います。この遊歩道はさほどきつくはありませんが、観光で訪れる年配の方は少し大変そうです。左側には木材の加工品を販売しているお土産店があり、観光地の雰囲気を醸し出しています。
お土産店を過ぎると木々に囲まれた場所にトイレがあります。
トイレを過ぎると分岐があります。右側に行くとお茶屋さんのような施設があり、行き止まりです。ここは左側に進みます。
遊歩道の案内板です。対岸まで歩いて一周できるようになっています。対岸は山の中腹を歩くような遊歩道になっており吹割の滝を俯瞰できる場所があるのですが、木々が伸びており、パンフレットやインターネットに掲載されているような写真は現在は撮れません。
写真撮影が目的の場合は、吹割の滝まで歩いて、そこから戻ってくる方が良いです。ハイキング目的の場合は遊歩道を周回しても良いと思います。
吹割の滝の説明板。
ここから少し長い階段を降ります。森の中に飛び込んで行くような雰囲気の良い階段でした。
鱒飛の滝
階段を降りると鱒飛の滝が現れます。
鱒飛の滝をスローシャッターで撮影しました。日中の曇りという条件だったのでND100をつけて撮影しました。岩の切れ込みが特徴的で、高速シャッターでもスローシャッターでも楽しめる滝だと感じました。鱒飛の滝・吹割の滝は日差しが強いときは水の部分が白飛びしやすいので、曇天の時の方が高速・スローシャッターの両方を楽しむことができると思います。
落下口を望遠レンズで撮影。落下前の手前の緩やかな流れと奥の豪快に落ちていく水の流れの対比が面白いです。
吸い込まれていく水の流れを高速シャッターで撮影。曇り空だったのでISO400〜800に設定し、シャッタースピードが1000分の1以下になるようにして撮影しました。
滝の少し上の流れ。
鱒飛の滝を上流から見ています。大きな岩盤の上を舐めるような水の流れ、滝へ吸い込まれて行く様子を見ることができます。赤いコーンのところが最も近くで滝を見ることができる場所です。
般若岩
奥の鉄柵の場所は川に近く、水の流れを感じながら散策することができます。この辺りの流れは緩やかなので驚怖感はありませんでした。
般若岩は断崖絶壁になっており、上部は木々が生い茂っています。
縦位置で撮影すると岩の高さがよくわかります。
般若岩を超えると遊歩道が少し大回りになっています。
いよいよ吹割の滝へと近づきます。写真奥の大きな岩の向こうに吹割の滝があります。
吹割の滝
吹割の滝の手前は巨大な岩盤の上を歩くようになっています。白線の所にはロープが張られているのでその中には入れません。この写真を撮影している場所は少し高くなっており、ここから望遠レンズを付けてハイアングルで滝を狙うと、迫力ある滝のアップ写真が撮れます。
滝全体や奥の吊り橋、周りの木々や山々を入れて撮影したい場合は、白線ギリギリのところで撮影する方が良いです。滝の右側は吊り橋へと向かう遊歩道になっています。
吹割の滝を標準レンズで撮影。
左側に印象的な穴が空いています。奥には吊り橋があり、構図のワンポイントとして活用できます。
岩を滑り落ちるような水の流れも高速シャッターで撮影すると迫力ある水しぶきに。水量の違う部分に着目して画面内に配置すると、静と動の対比が面白い写真になります。
吹割の滝の水の落下点。三角の岩が水の中から突き出ており、それを囲むように3方向から水が押し寄せます。複雑に動く水の流れは長時間に渡ってファインダーを覗いていても飽きることはありません。
シャッタースピードを変えて何枚も撮影した中から、最も水の表情が出ているものを選択するようにしました。この複雑で迫力ある流れは吹割の滝ならではだと思います。
吹割の滝は滝に近づくと危険なので滝にはあまり近づけないようになっています。高さが無い滝なので、標準レンズで周りの風景と一緒に撮ろうとすると、滝が少ししか映りません。周囲を見渡すと奥には橋があり、少し小高い山になっていますが、写真を構成する要素としては弱いです。
この滝はアップで撮影すると迫力が出るので、標準レンズの望遠側、望遠レンズで印象的な場所を切り撮る撮影に向いていると感じました。
滝の撮影はレンズに飛沫が付着するのでタオルなどの持参した方が良いでしょう。遊歩道はコンクリートで作られており、それほど滑るようなこともないです。
吹割の滝に撮影に行くときは水上周辺の「谷川岳・一ノ倉沢」「奥利根4湖」「照葉峡」や、赤城山の「大沼」「小沼」「覚満淵」などの撮影スポットも巡るプランを考えると良いと思います。
国道120号は県境の金精峠を超えると奥日光まで行けるので、日光の撮影に行くときに吹割の滝に寄るプランも考えられます。