「磐梯吾妻スカイライン」撮影ガイド 〜日本離れした荒涼世界と紅葉の絶景
福島県有数の観光道路である「磐梯吾妻スカイライン」。植生豊かな紅葉と火山が作り出した荒涼とした風景を同時に楽しめる絶景スポットです。
カメラマンに人気なのはもちろんのこと、ドライブ・ツーリングにも大人気の場所です。
橋から見下ろす紅葉と滝「つばくろ谷」
福島市側から磐梯吾妻スカイラインを走ってくると、始めに「つばくろ谷」というビュースポットが出てきます。
ここは「不動沢」と呼ばれ、深い谷になっていて、渓谷と滝を見ることができる場所です。
170メートルに及ぶアーチ型の橋が印象的です。
橋の長さは170m、高さは84mあります。
この橋は2000年に新しく架けられたものです。
この写真を撮っている場所は、旧道が通っていた場所で現在は駐車場・展望台・トイレなどが設けられています。
紅葉の渓谷の上、車が宙を駆け抜けていくようです。
「不動沢橋」の上まで歩き、下を覗き込むと、芸術的とも言える紅葉が広がり、その中に美しい流れの「不動沢滝」が見えます。
絵画の世界に引き込まれるような美しさ。
空中を散歩しているような気にさえなります。
橋には歩道があるので、安全に紅葉を楽しむことができる場所です。
紅葉の時期は駐車場が混雑しています。
先ほどは滝の部分だけの写真でしたが、全体はこんな感じになっています。
「不動沢滝」から水の流れが続き、その途中にも小さな幾つかの滝を見ることができます。
秋の彩りが綺麗ですね。
何色あるのでしょうか。
橋の上からなので三脚を使っての撮影は少し大変です。
真上から紅葉を撮影してみました。
葉っぱの無い木の枝が踊っているように見えて面白いです。
真上から紅葉を見ることはあまり無いので、新鮮な感じがしました。
さらに一部を切り取って写真にしてみても面白いです。
アートの世界を味わえる場所でした。
「不動沢橋」から旧道にある駐車場を見ています。
昔はあちら側に橋がありました。
現在は展望台として活躍しています。
下には「不動沢滝」が見えます。
天狗の庭
「つばくろ谷(不動沢橋)」から最高地点付近の浄土平方面へ向うと途中に「天狗の庭」という撮影ポイントがあります。
路肩に数台の駐車スペースがあるのでそこに車を停めましょう。
「天狗の庭」という木の案内板が立っています。
広くなだらかな斜面とゴツゴツした岩が見えます。
これが「天狗の庭」です。
紅葉がとても美しい場所でした。
庭の先には福島の平野が見えていて、天空にいるような気分にさせてくれます。
「天狗の庭」の展望場所付近では、紅葉の撮影を楽しむことができます。
印象的な黄色く紅葉した木を見つけたのでシャッターを切ってみました。
この周辺は黄色・赤が多く、とてもカラフルです。
磐梯吾妻スカイラインの途中には幾つか駐車スペースがあります。各場所とも数台程度のスペースしかありませんので紅葉時期は駐車するのが大変です。
平日の早朝だと空いていました。
途中に幾つも良い撮影ポイントがあります。
空には程よく雲が出ていたので、空も入れて撮影してみました。
紅葉の中を上へ上へと向います。
燃えるような紅葉の中を空に向って走っていくようです。
これこそ「スカイライン」。
紅葉と青空のコントラストが美しすぎます。
紅葉と山並みです。
駐車スペースに車を停め、その前後を歩いてみると、良いポイントを見つけることができます。
紅葉を照らす光芒です。
この日は雲が多く、その間から差し込む光がスポットライトのようになりました。
朝の柔らかい光が斜面を照らしていきます。
斜面に光が当たるのを待っている間は、楽しいひとときです。
吾妻小富士と紅葉
標高があがってくると「吾妻小富士」が見えてきます。
こちら側からだと、綺麗な三角形に見えます。
まだしばらくは紅葉の斜面が続きます。
さらに先に行くと木々が無くなり、荒涼とした風景にがらりと様変わりします。
このギャップが「磐梯吾妻スカイライン」の一番の魅力ではないでしょうか?
絶景の中のドライブは最高です。
早朝は数えるほどしか車がいませんでした。スカイラインは貸切状態です。
こんな絶景が無料とは!
以前ここは有料道路で、1,500円ほどの通行料金がかかりましたが、現在は無料化されています。
(浄土平の駐車場では環境整備協力金として300円が必要です)
地元のカメラマンに話を聞いたら、昔は有料だったので気軽には来れなかったそうです。
「今は無料だから最高だ!」と言っていました。
「吾妻小富士」は形が綺麗です。
写真の主役にもってこいです。
だんだんと木々の無い岩肌が増えていました。
もう少しで紅葉の風景は終わりです。
「吾妻小富士」の斜面が草紅葉になっていました。
水の流れで削られた斜面が格好良いです。
画面の右上の建物が浄土平の駐車場になります。
浄土平が近づいてくると、荒涼とした平原の中にストレートの道が出てきます。
この付近は火山性の有毒ガスが出ており、停車すると危険と書いてあります。
(しかし、ここは自転車も通るし、紅葉時期の土日は大渋滞で動きません。まあ、死ぬほど危険ということではなさそうです)
ストレートを越えてカーブを幾つか登った辺りから撮影することにしました。
道路の後ろに聳える岩山が大迫力です。
ここ日本ですか?って言いたくなります。
来た方向を振り返ってみると、凄いところを走ってきたことがわかります。
よくこんなところに道を作ったものだと感心してしまいます。
浄土平駐車場とレストハウス
「磐梯吾妻スカイライン」の最高地点付近となる「浄土平」は大きな駐車場・レストハウス・ビジターセンター・天文台と設備が充実しています。
ここから吾妻小富士(徒歩15分)、一切経山(徒歩90分)、鎌沼(徒歩45分)など幾つかのトレッキングコースが出ています。
特に一切経山(いっさいきょうさん)の山頂から見える五色沼(通称:魔女の瞳)は美しいです。