紅葉の絶景が広がる「涸沢カール」撮影ガイド。〜夜空を埋め尽くす「満天の星」朝陽で紅く染まる「穂高連峰」
日本一「紅葉」が美しい場所と言われる「涸沢カール」3,000メートル級の山々に囲まれた特別な場所で、赤・黄色・黄緑とバランスの良い色彩が目の前に広がります。
紅葉ピーク時にはこの美しい瞬間を楽しむ登山客で一杯になります。
今回は涸沢カールで撮影した写真をまとめてみました。絶景の紅葉をお楽しみください。
真っ赤に燃える「涸沢カール全景」
紅葉時期の涸沢カールの全景です。
3,000メートル級の北アルプスの山々に囲まれたカールになっています。カールとは氷河によって侵食されてお椀状に削られた地形を言います。
写真の正面に見える尖った三角形の山が「涸沢槍」、右上が「北穂高岳」方向、左上が「奥穂高岳」方向になっています。
写真の中央に位置しているのが「涸沢ヒュッテ」で、その奥の斜面にある建物が「涸沢小屋」です。
この2つの建物の間はテント場になっています。
真っ赤なナナカマド、黄色く色づいた木々、ゴツゴツとした迫力ある岩山、雪渓と・・・日本とは思えない景色がここには広がっています。
▼朝陽で輝く穂高連峰「モルゲンロート」タイムラプス動画
黄色く紅葉する葉が印象的でした。
奥の山は「北穂高岳」の方向になります。
紅葉と青空のコントラストが美しいです。
涸沢カールはお椀型のくぼ地になっているため、紅葉時期には午後3時過ぎに日陰になってしまいます。
奥穂高岳の方向に陽が沈み、山の方向から光芒がカールに差し込んでいました。
うまく狙うと「ダイヤモンド奥穂高岳」が狙えます。
実際は奥穂高岳のピークは見えないのですが・・・
逆光気味だと紅葉した葉っぱが透けて見え、立体感のある写真になります。
「涸沢カール」の夜景・星景
夜にはライトのついたテントが闇の中に浮かび上がって幻想的な景色になります。
満天の星空。天の川と夏の大三角が穂高連峰の稜線に沈んでいきます。
朝のメインイベント「紅葉モルゲンロート」
夜明け前からモルゲンロート(山に朝日が当たって赤く染まること)を待つ人たちで涸沢カールは賑わいます。
テント泊の人も、小屋泊の人も、この時間には外に出てきます。
涸沢ヒュッテのテラスに行く人も多いですが混雑するので、テント場付近で待機したほうが良いです。
穂高の山々と紅葉の斜面に朝日が差し込む瞬間には歓喜の声があがります。
まさに「絶景」この時の光景を「タイムラプス動画」で記録しました。
太陽と穂高連峰の間に帯状の雲があった為、2本に分かれた光が山の斜面に当たりました。
今回の登山では好天に恵まれ3日連続でモルゲンロートを見ることができました。
刻々と変化していく光と影。長い時間かけて、重いテントやカメラを背負ってここまで来た甲斐があります。この光景は何度見ても飽きることはありません。
写真の左上の稜線が窪んでいるところに見える小屋が「穂高小屋」です。この小屋の左側が「奥穂高岳」、右側が「涸沢岳」になっています。
涸沢小屋にも朝日が当たります。
涸沢小屋の後ろは絶壁になっており、紅葉が綺麗です。
朝日の当たり始める時は、山が特に赤く染まります。
この光が時間をかけて涸沢カールにゆっくりと降りてきます。
朝から寒い中、モルゲンロートの写真を撮っているのですが、カールに陽が当たると暖かくなり、過ごしやすくなります。
三角形が格好良い「涸沢槍」と紅葉
三角形が印象的で涸沢のシンボルともなっている「涸沢槍」。
この写真は横尾からカールへの登山道の途中から撮影しました。
登山道から「涸沢ヒュッテ」の吹流しが見え、長い登山のゴールが近くなっています。
「涸沢槍」の上に雲が出ており、青空と紅葉が美しい写真になりました。
「涸沢槍」の迫力ある姿です。
こちらは涸沢カールから奥穂高岳に登る登山道の途中から撮影しました。
この辺りは「涸沢小屋」から30分ほど登るだけで良いので、紅葉撮影にお勧めです。山が近くなるので山の迫力が増します。
奥穂高岳に登らず、カール内で過ごす人にも行ってみて欲しい撮影ポイントです。
涸沢の隠れた穴場「シンメトリー写真を撮れる池」
「涸沢ヒュッテ」の裏側に池があります。
写真撮影を目的に涸沢カールに行くカメラマンたちは知っている人が多いと思いますが、登山の人で知っている人は少ないかもしれません。
池に行ってみるとカメラマンばかりだからです。
登山の人でここを通る人は少ないです。テント場からも離れているし、岩の陰になっているので気付くことも少ないと思います。
しかし、ここがかなりの絶景ポイント。
「涸沢カール」に行ったときはこの池に寄ってみて下さい。
感動間違いなし!
池に奥穂高の山々が綺麗に映り込みます。
山が近いので、山を池に映して撮影するには広角レンズが必要です。(フルサイズカメラだと焦点距離16mmぐらい欲しいです)
寒い日の朝はこの池に氷が張って、印象的な写真を撮ることができます。
映った山が割れているような面白い写真になります。
風があまりなかったので綺麗なシンメトリーになりました。
池の周りで場所を変えて構図を探ります。
どの山をメインにするかを考えるのが楽しいです。
湖畔は岩が多く撮影できるスペースが少なくなっています。撮影時は日中だったのでカメラマンは少ない状態で、譲り合って撮影していました。
早朝のモルゲンロートの時間帯は場所取りが大変かもしれません。