戸隠「鏡池」撮影ガイド 〜戸隠山と紅葉のシンメトリー
鏡池は長野市の戸隠にあり、その名の通り、戸隠の山々が鏡のように水面に映り込む新緑と紅葉の絶景スポットです。荒々しい岩山に抱かれる広葉樹は季節によって色を変え、四季折々の風景を見せてくれます。
紅葉の時期は観光客・写真愛好家が多く訪れ、紅葉の鏡池の風景を楽しみます。早朝には朝霧を狙う写真愛好家が湖畔に三脚を並べます。
鏡池へのアクセス・駐車場
鏡池に行くにはカーナビに鏡池を直接設定するか、戸隠神社を設定するとわかりやすいです。
鏡池へは県道36号から細い道を入ります。北側と南側から入る道がありますが、紅葉のシーズンは北側から南側への一方通行規制になっていますので北側から入るようになります。
撮影に行った日は平日でしたので、車で行くことができましたが、土日・祝日は交通規制となり、シャトルバス・タクシーのみの通行となっているようです。
鏡池へのアクセス・駐車場の詳細は下記のマップをご覧下さい。
「鏡池周辺案内図」
戸隠神社中社、小鳥ヶ池を過ぎて左側の道を入ると覚えるとわかりやすいです。
鏡池からは戸隠神社の参道(杉並木)まで30分ほどのハイキングで行くことができます。遊歩道は杉並木の撮影ポイントである隋神門付近に出るので、杉並木の撮影を考えている場合はこのコースを頭に入れておくと良いです。参道入口の駐車場は有料なので、ここから歩けば駐車料金は必要ありません。
鏡池に向かう道路の紅葉も美しく、高原の雰囲気を味わうことができます。
※写真は駐車場付近から北側(来た方向)を撮影したものです。
鏡池の北側から来ると、左手に「鏡池 ギャラリー&カフェ どんぐりハウス」という大きなロッジ風の建物が見えてきます。レストラン、バードカービング作家の作品の展示販売、バーベキューハウスなどを提供している施設です。
この建物の前に、10台程度の駐車場があります。
左側がどんぐりハウスです。右側の駐車場に停められない場合は、すこし下の大駐車場(45台ほど)に車を停めることになります。
駐車場とどんぐりハウス前から少し砂利道を歩くだけで、戸隠山と鏡池が見えてきます。
撮影した日は平日でしたが、観光客が絶え間なく訪れていました。
目の前の絶景に歓喜の声が上がります。
池の右側は広場になっていて、散策を楽しむことができます。右奥のほうに進むと池のそばまで行くことができます。
写真撮影の定番ポイントはこの広場の左側のほうです。写真の左側に砂利の道路(堤)が見えますが、この上からが鏡池と戸隠山を入れた撮影ポイント担っています。
戸隠の山々に雲が掛かると、格好いいです。岩山と紅葉と青空。
この日は早朝の撮影ではありませんでしたが、程よく雲が流れ、紅葉と雲と青空の良い写真が撮れそうな雰囲気でした。
撮影ポイントへ
鏡池の堤の上まで進みます。堤の斜面は写真ではわかりにくいですが、石垣で作られた傾斜のゆるいスロープのようになっています。
右側には水質検査に使うのかはわかりませんが、三角形の鉄製の物体が湖面から出ています。(撮影時にはこれを避けて構図を取ります)
この撮影している地点から左の方に行くと、小さな展望スーペースが作られています。ここは3名ぐらいしか入れません。
湖畔の土手の半分から左側が撮影ポイントになっています。20名程度は撮影できそうなスペースがあります。
戸隠連峰(西岳)を上下ギリギリまで入れたシンメトリー構図です。
紅葉のラインが、左側と右側から中央に向けて下がってきて、中央付近でバランスよく交差します。
湖畔の白樺が水に写ると美しいです。この時は戸隠連峰の中腹を横切っていくように雲が出ていました。
堤の上からの撮影で戸隠連峰(西岳)のピークを入れて水鏡の写真を撮影する場合、右側の湖面に人工物があるので、人工物が入らないようにできるだけ全体を写そうとすると、この写真のような構図になります。
左側の展望スペースの奥はコンクリートの堰き止めがあり、もう少し左側まで入れてしまうと人工物が入ってしまいます。
自然の池のように見えますが、人工池なので人工物を入れない構図は思ったより限定されてしまいます。人工物を入れても良いと割り切ってしまえば、構図のパターンは広がります。
鏡池から見る戸隠連峰は左右2つの塊(左が西岳・右が戸隠山)になっており、この写真は左側を撮影したものになります。右側の塊を撮影する構図でも撮影することができます。
戸隠連峰は本当に面白い形をしています。岩山だと群馬県の妙義山も戸隠山と似たような感じです。
雲が湧いてくると迫力満点です。
水面の波が奥と手前で違う感じだったので、シャッターを切りました。
右側の立ち枯れがワンポイントになっています。水面にスピード感があるような写真になりました。
迫力ある岩山です。
到着したとき、戸隠山は雲に隠れていましたが、撮影している間に姿を見せてくれました。雲が薄くなって岩山が現れる間はとても幻想的な風景になりました。
鏡池紅葉シンメトリー。
無風の時は本当に鏡のようになります。雲の位置によって構図のバランスが変化するので、雲の流れる方向を見て、雲の位置を予測しながら撮影しました。
鏡池を広角で撮影。
左と右に二つの山塊があります。
新緑の鏡池と戸隠連峰
新緑の季節は芽吹いた樹々が輝きます。夜中に月明かりで撮影しました。
早朝、朝陽が当たると池の水面から霧が湧き上がってきました。
早朝は湖面に霧が漂う確率が高くなります。鏡池は早朝の霧を狙って撮影に来る人も多いです。
厳冬期の戸隠山
大雪の降った翌日は戸隠山の岩肌が真っ白になります。深い雪に覆われる冬季はスノーシューやスキーを履いて行くことになります。戸隠神社「奥社」の参道(杉並木)にある「隋神門」からの訪問がオススメのコースになります。
鏡池の中央に立つシンボル的存在の立ち枯れ。威厳のある姿も年々朽ちて小さくなっています。
鏡池は冬季は凍結するので、立ち枯れの側まで歩いて行くことができました。
鏡池 撮影後記
鏡池はカメラマンの為に存在するような池で、岩山・空・雲・池・紅葉と要素が揃いすぎていると言っても過言ではないでしょう。戸隠は国内有数の野鳥の宝庫と言われているので、鳥撮影でも人気が高い場所になっています。
戸隠山の登山について調べてみましたが、危険度が高い山で、断崖絶壁で足を滑らしたら命に危険があります。「蟻の塔渡り」という左右に切れ落ちたところはまたいで進んでいかないといけないような場所でした。鏡池から見上げても険しさが伝わってきます。
鏡池周辺の「みどりヶ池」も池と戸隠連峰の写真を撮影できます。鏡池の少し北側なので、鏡池撮影の帰りに足を伸ばしてみると良いと思います。