「大魚神社」撮影ガイド 〜海に沈む海中鳥居
佐賀県太良町にある大魚神社。伝承によると沖ノ島に取り残された悪代官が大魚(ナミノウオ)に助けられたことに感謝し、神々が鎮座する太良岳と沖ノ島を一直線で結ぶ位置に建造されたとか。いずれにせよ海面から突き出た鳥居は被写体としても人気があります。
道の駅太良から国道207号を約2.1km南下するとおみやげセンターの横に入り口の標識が設置されています。見落としやすそうな標識です。
道路を挟んで右前方50mには神社本体の駐車場があります。
神社の駐車場です。鳥居の駐車場とは違うので注意してください。ただここに停めて歩いても問題ありません。
鳥居に行くには標識のある場所から入っていきます。
すぐ右折します。
するとすぐそれらしき場所が見えてきます。
駐車場は鳥居のすぐそばにあります。基本的に舗装されている場所に停めます。3列に詰めれば20台は停めれそうです。それ以外は漁業関係者の敷地である可能性があるので注意が必要です。
きれいな水洗トイレも設置されています。
上から見るとこんな感じです。鳥居は水平線の下になります。
斜め横から見るとこんな感じです。
すぐ南には海中道路もありますが洗堀が進んで危険なため基本的に立ち入り禁止です。
夜の干潮時に撮影するとまあまあ絵になります。
海岸にはすぐ左から簡単に降りれます。
赤丸で囲っているあたりから撮影する人が多いのではないでしょうか。
下から撮影すると鳥居の上部が水平線の上に出ます。
時間を巻き戻して昨夜の状況から説明します。写真は満潮から40分後のものです。満潮時刻23:19。満潮時潮位460cm。月齢3.0で月明りなし。月明かりがなくても周りの微妙な灯りを拾って鳥居ははっきり写りこみます。ただしピント合わせには懐中電灯が必要かもしれません。
満潮から1時間40分後の状況です。手前の石畳が顔をのぞかせます。
満潮から2時間後の状況です。石畳が全て顔をのぞかせます。20分しかたっていなくても遠浅なので表情が激しく変化します。
満潮から2時間40分後の状況です。かなり奥まで潮が引いてしまいました。ただし鳥居付近には水溜まりが多く残っています。ただしこの水溜まりは約1時間半ぐらいで消えてしまうので水溜まりを撮影したい人は引き潮のタイミングで訪れるのが良いでしょう。
4月中旬はこの方向から陽が昇ってきます。ちなみに鳥居正面は060°方向の撮影となります。夏の時期だと太陽がほぼ正面近くから昇ってきます。
朝焼けしなくても光芒が出たりする時があるので少し粘ってみるのもよいでしょう。
次は満潮と日出時刻が重なるタイミングで訪れてみました。到着すると天の川が駐車場の大鳥居の上に見えました。
満潮時刻05:07、満潮時潮位360cm、親潮、月齢22、 日の出時刻05:50
満潮の1時間前に一番奥の鳥居に水がかかり始めたものの満潮時でさえ第一鳥居の手前までしか水が来ませんでした。
上弦下弦の前後に来る親潮や若潮の日は潮位差が少なく潮位も低いためこのような状況になるのかと思っていましたが、有明海の朝の満潮はだいたいいつも潮位が300cm台だと地元の人に教えてもらいました。
第一鳥居が完全水没するためには潮位が最低400cmないといけないでしょう。また稀に潮位が530cmを超えると下に降りれなくなる可能性があります。
5月前半はこの方向から朝日が昇ってきます。
満潮から1時間後には第二鳥居まで海面が後退して水溜まりのような状況になりました。
第二鳥居と第三鳥居は高低差がほとんど無いのでほぼ同時に水没したり干上がったりします。
雲の隙間から陽が出てきたので第二鳥居のみ切り取って撮影しました。
どのような表情を撮りたいかは人それぞれで好みが分かれるのですが一つの基準として満潮時刻と日出時刻がほぼ重なる日を狙うのが良いでしょう。
最後に概略の潮位ラインを画像に記載しておきます。有明海は潮汐率の揺らぎが非常に大きいので撮影タイミングを追い込みたい人は気象庁が出している大浦の潮位表PDF(毎時間ごと)をダウンロードすれば1時間ごとの潮位予測を把握できます。
太良港は大浦より約10分遅れで推移します。また潮汐表はあくまで天文潮位の予測であって実際の潮位とは誤差が出ます。特異な気象状態でなければ潮位誤差は30cm以内、時間誤差は30分以内の精度らしいです。