「丸山千枚田展望所」登山撮影ガイド〜夕焼けに染まる千枚の棚田の絶景

日本屈指の規模を誇る「丸山千枚田」。その棚田を山の上から俯瞰できる「丸山千枚田展望所」に行ってきました。30分ほどの登山になりますが、登山道は綺麗に整備されており、快適に撮影を楽しむことができます。今回は展望所からの夕焼けと棚田の風景を紹介します。

丸山千枚田の概要

丸山千枚田は三重県熊野市紀和町にある大規模な棚田で、田の枚数は1,300枚以上の規模です。
1600年頃の記録では約2,500枚もの規模になっていたそうです。

この近くには鉱山があって、農家は鉱山との仕事の兼業で暮らしていましたが、鉱山が閉山となり、高齢化・減反政策・コメの価格低下が重なり、1992年には500枚ほどまで棚田が減少してしまいました。

「丸山千枚田保存会」が結成され、現在では1,300枚ほどに棚田が増え、美しい景観を見ることができるようになりました。

丸山千枚田は日本の棚田百選に選定されています。

「丸山千枚田展望所」 撮影のアドバイス

【登山道について】
・登山は30分から40分程です。
・急登と言われますが、最後の170段の階段で高度を上げるので、それ以外の所はそれほど急ではありません。

【持っていくもの】

「レンズ」
レンズは一本なら24-70mm、望遠での棚田の切り撮りもしたい時は70-200mmも持って行くのが良いです。上空まで劇的に焼けたりする時は広角レンズがあれば良いですが、24-70mmの縦構図でもカバーできますね。

「三脚」
夕暮れ、車の光跡を撮影するのが目的の場合は三脚は必要です。

「ハーフND」
夕暮れは露出差が激しいのでハーフNDがあった方が良いです。

「ヘッドランプ」
夕暮れ後すぐに暗くなります。登山道は杉林の中なのでかなり暗いです。懐中電灯、ヘッドランプは持って行くようにしましょう。車の光跡まで撮る場合は帰りは真っ暗になるので必須です。

「防寒着」
標高が高いので夕暮れ時、夜、風が吹いた時などは寒いです。暖かい服装を持って行くようにしましょう。

丸山千枚田へのアクセス

丸山千枚田へのアクセスは国道311号沿いにある「熊野市役所 紀和庁舎」「道の駅 熊野・板屋九郎兵衛の里」を起点にするとわかりやすいです。道の駅は丸山千枚田の西方向に位置しています。

道の駅から丸山千枚田までは約4kmほどなので、ゆっくり走っても10分程度で到着します。棚田の下から棚田の中を通るルート、国道311号から県道40号を通り、千枚田の上から入るルートの2つのルートがあります。

道の駅からの場合は、棚田の中を通るルートの方が近いです。

丸山千枚田展望所の登山口は県道40号沿いにありますが、棚田の中を通って棚田の上部からアクセスする方がオススメです。

アクセスの詳しい情報は下記の地図をご覧ください。


道の駅 「熊野・板屋九郎兵衛の里」から東方向に進むとすぐに「板谷」という交差点に出ます。ここを左折すると丸山千枚田へ向かう道になります。

左側に「赤木城跡」「丸山千枚田」という案内板が出ています。

この写真だと左側から進んできて、交差点を左折する形になります。この交差点を直進(右方向)に進むと県道40号への分岐があり、そちらからも行けますが、距離がかなり長くなります。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

「板谷交差点を左折したところ」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

「板谷」交差点を左折すると川沿いを走る道路になります。

あとは案内板どおりに進んで行けば、千枚田の中を通り、千枚田の上を横に通っている県道40号に出ます。展望所登山口は、県道40号を右側に進みます。

登山口周辺の様子

県道40号を右側に進むと、小さな橋が見えてきます。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

この橋の左奥に2台ほど駐車できるスペースがあります。

ここが登山道入口に一番近い駐車スペースになっています。

ミニバン1台、軽自動車1台ほどのスーペースで、大きな車2台は厳しい感じでした。

後ろに石があるので駐車時には注意が必要です。

他にも駐車できそうな場所がいくつかあったので、後ほど紹介します。

丸山千枚田展望所登山口

上記の橋から50mほどで登山口になります。駐車スペースから右側は杉林になっていて、熊野の雰囲気を味わうことができます。

写真中央左側に小さく見える石垣と白い看板が登山道の入口です。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

「登山口」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

右側に「熊野古道・通り峠」という案内板が出ています。丸山千枚田展望所は熊野古道の通り峠から少し登った所にあります。

まずは「通り峠」を目指します。

この周辺は道路が狭く、駐車できる場所はごくわずかです。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

登山道入り口から少し進んだの路肩です。ここは車は厳しそうです。バイクなら置くことができそうです。

さらに進んでいくと左側のカーブのところが大きく膨らんでいます。(登山道入り口は奥方向です)。
ここは3台ぐらいの駐車スペースがあります。

この先に道路沿いから丸山千枚田を俯瞰できる場所があり、そこは車が3台しか駐車できません。そこが埋まっている時は、ここに停めて俯瞰場所まで歩いていく人もいます。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

展望所への登山スタート

さあ、展望所に向けて登山開始です。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

スタートは階段になります。

左に苔むした石垣、正面には直線が美しい杉林。熊野古道の雰囲気バリバリです。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

杉林の中を歩きます。手すりが設けられており、登山道は綺麗に整備されています。

登山して棚田を俯瞰する場所なので、写真家しか行かないような隠れた撮影ポイントというイメージでしたが、実際に行ってみると整備の行き届いた快適な登山道と展望台でしたね。

徐々に山道らしくなってきました。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

午後4時頃から登り始めましたが、木漏れ日が綺麗で楽しい登山になりました。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

熊野古道らしく、苔むした石が多いです。登るときは登りやすいのですが、下るとき、石が斜めになっているので気をつけないと転んだり、捻挫したりしますね。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

登山道の横には小さいですが、登山道の表示がありました。

通り峠まで18/21と書かれていたので、21ヶ所にこの表示があるのかと思いましたが、この先はほとんど表示がありませんでした。

急傾斜のスタート。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

左上に向かって、登山道が伸びています。傾斜が急になってきました。
ここも右側に手すりが設置されていました。

中間地点の分岐(通り峠)

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

道なりに進んでいくと、登山道の先にあずまやらしき建物が見えてきます。

ここが「通り峠」です。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

峠の右側にはお地蔵さんがありました。

お地蔵さんの奥に行く道があるのですが、この先は行き止まりと書いてあります。登山者が間違わないように黄色いロープが張られていました。

「通り峠の様子」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

左側の「丸山側登口」から登ってきました。峠をまっすく進むと「矢ノ川側登口」という別の登り口になります。右側はお地蔵様。

丸山千枚田展望所はここを左に進みます。分岐はここだけなので、ここだけ間違わなければ大丈夫です。

左側のあずまやの前を通って展望所に向かいます。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

「千枚田展望所 約260m」という案内板が出ているのでわかりやすいですよ。

「通り峠案内図」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

周辺の道路・登山道などの案内板がありました。

「あずまや」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

綺麗なあずまやでした。ひと休憩するのにとても良い場所です。

ここまで15分から20分ぐらいの登山となります。

登山(後半)

あずまやをスタートして展望所を目指します。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

あずまやから少しの間はそれほど傾斜のない登山道です。

途中にはベンチもあります。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

階段

ここからが最後の急登。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

階段170段という案内板が出てきて「うわぁ」っとなります。

先に書いておきますが「170段」を登り切れば、すぐに展望所です。その先にさらに登りは無いので、170段の登りだけ頑張りましょう!

「あと100段」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

区切りの良いところに「あと何段」の案内板がありますよ。

「あと75段」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

「あと50段は看板なし」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

あと50段は看板が落ちてなくなったのかわかりませんが、見当たりませんでした。階段のカーブのところに「丸山千枚田展望所」という案内板がありました。

「あと25段」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

ここまでくればもう展望所はすぐ。

階段を登りきったところ。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

道が平になり、山並みが見えています。

丸山千枚田展望所

「展望所到着!」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

「おつかれさま」の文字が。

ベンチもあります。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

木製の柵になっていました。奥まで展望所が続いています。

「展望所から見た丸山千枚田」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

高度感ありますね。

上から俯瞰すると棚田はアート作品のようでした。

「丸山千枚田案内板」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

展望所にもしっかりとした千枚田の説明があります。

「展望所奥」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

奥まで歩いて行くと、道が左下に折れて行き止まりになっています。

ベンチのあるところより一段下でも撮影することができます。

10m程度しか離れていないので構図はそれほど変わりませんが、24mmあたりの焦点距離で撮影した時に、奥の方が手前の木の枝が入らないので、撮影しやすかったです。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

こちらが一番奥の行き止まり部分になります。

太陽の沈む位置

千枚田展望所からは夕焼けの棚田風景、夜の車の光跡の写真が人気になっています。

夕焼けを狙うときは太陽の沈む位置を把握しておいた方が良いですね。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

太陽は赤い矢印の先に沈みます。

4月20日の撮影の時は、奥の山のちょうどテッペンに太陽が沈みました。

棚田の真後ろには沈みませんが、棚田に比較的近い位置に沈みます。

太陽が沈むまでの1時間少々、棚田を眺めながら、のんびりと過ごしました。

夕暮れの丸山千枚田

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

この日は湿度が高めで、少し霞んだ感じでした。前の日の夜も湿度が90%ほどと高かったですね。

太陽高度が下がってくると、棚田が柔らかい光に包まれました。

丸山千枚田の夕焼け

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

太陽が沈む頃になると風景がクリアに見えるようになってきました。

丸山千枚田は周囲を山に囲まれた盆地になっています。周囲の山並みがとても綺麗だったので、画角を広めにして、広大な風景写真にしてみました。


レンズは24-70mmで、焦点距離は35mm。
撮影時間は午後6時11分。

空と棚田の露出差が激しいのでハーフND8を使って撮影しています。


「夕焼けに染まる棚田」

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

レンズは24-70mmです。焦点距離60mm。
撮影時間は午後6時12分。前の写真と連続での撮影です。

こちらは棚田部分だけなのでハーフNDは使っていません。

山に沈む太陽と山並みが綺麗だったので、山並みだけもアップで撮影しました。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

これだけでも絶景ですね。

[ 丸山千枚田俯瞰 ]

レンズは24-70mmです。焦点距離24mm。

こちらは焦点距離を24mmにして、さらに広大な風景になるように撮影しました。

「天空の棚田」ですね。丸山千枚田は車の光跡の写真のイメージが強かったですが、広大な風景(夕焼け)も凄かったです。

行く前にイメージしていたよりずっと広大な風景でした。



検索&翻訳

PAGE TOP