奥志賀高原「カヤの平高原」撮影ガイド 〜樹齢300年超 ブナの大木とドブ湿原で咲き誇るニッコウキスゲたち
志賀高原から野沢温泉へと抜ける県道502号沿いにある「カヤの平」は、日本一美しいと評されるブナの原生林を散策できる撮影スポットです。ここには北ドブ湿原・南ドブ湿原という2つの湿原が広がり、ミズバショウ、ニッコウキスゲ、オニユリなどの高山植物を鑑賞することができます。木々が芽吹く春、紅葉の時期は原生林の木々が特に美しくオススメです。
カヤノ平にはロッジとキャンプ場、そしてカヤの平高原総合案内所があります。散策前に総合案内所で情報を確認すると良いでしょう。
カヤの平(カヤノ平)自然休養林の遊歩道案内板。
ここには2つの湿原があります。遊歩道が整備されており、ロッジから800m(徒歩10分)で南ドブ湿原、1.8km(徒歩40分)で北ドブ湿原になります。南ドブ湿原は小さいので、ハイキングには北ドブ湿原が人気となっています。ロッジの標高は1,450m、北ドブ湿原の標高は1,550mとなっています。
ここは日本一美しいと評されるブナやシラカンバの天然林が広がっています。夏はワタスゲ・ニッコウキスゲの群落を見ることができます。5月下旬には南ドブ湿原で水芭蕉の群落を見ることができます。
ロッジから北ドブ湿原へと向かいます。今回は西コースを利用してみることにします。右側は信州大学ブナ原生林コースになっています。
木々の中の遊歩道を歩きます。
空を埋め尽くすような緑の葉。
光が降り注ぎ、心地よい空間が広がります。
上を見上げて撮影しました。太陽が良いワンポイントになっています。
木々から見える青空。
一面に広がるブナ林。
遊歩道側の石は苔むしています。
苔と林。
ローアングルで撮影すると、昆虫や小動物のような視線の世界が撮影できます。
手前の苔にピントを合わせ、奥の林をぼかして見ました。
朽ち果てた木。
途中から折れた木の幹。林の中で存在感がありました。
ところどころ、朽ち果てた木の幹や根があります。
森の生と死を感じる瞬間。森は生きています。
空に雲が多くなると柔らかい光に。
光が強い時と弱い時で木々の緑の色がかなり違くなります。雲の流れを見ながら光量を意識して撮影し、あとで写真を見てみると緑の色の違いがよくわかります。
分岐地点です。北ドブ湿原の奥には八剣山(1,675m)があり、ここから1.5kmほどです。北ドブ湿原の中を通る道からも途中で合流するので、八剣山に登る時は、北ドブ湿原を通った方が湿原の風景を楽しめるのでお得だと思います。
スタート地点で西コースと東コースに分かれていましたが、ここで合流します。もう一本の道は南ドブ湿原の方向に向かう大ブナ歩道です。
北ドブ湿原へと向かいます。あと500mほどです。
カヤの平北湿原(北ドブ)
この辺り一帯は、長野県下第一級の高層湿原であり、木島平村の指定文化財(天然記念物)に指定されています。動植物の採取は一切禁止です。山菜等も採取してはいけません。
少し狭くなった山道風の遊歩道。
木々が低くなってきて、いよいよ湿原になります。
湿原にはオニユリが咲いていました。オニユリの花言葉は「愉快・陽気・賢者・荘厳」となっており、見た目にふさわしい言葉になっています。緑の中でとても存在感のある花です。
カヤノ平自然休養林
北ドブ湿原(標高1,550m)
おるまいとるまい 高山植物
湿地帯の踏み込みは湿原消失につながります。遊歩道をはずれないでください。マナーを守り、この貴重な自然を守りましょう。
北ドブ湿原の花たち
ニッコウキスゲ(ゆり科)、ヒオウギアヤメ(アヤメ科)、イワショウブ(ユリ科)、コバイケイソウ(ユリ科)、リュウキンカ(キンポウゲ科)、ウメバチソウ(ユキノシダ科)、ヤナギラン(アカバナ科)、ギョウジャニンニク(ユリ科)
木道脇にはオニユリが咲き誇り、湿原にはニッコウキスゲの黄色い花が風に揺れています。
奥には東屋(休憩所)が見えます。
青空に映えるオニユリ。
ワタスゲとニッコウキスゲ。
北ドブ湿原全体。
小高い丘に包まれた黄色の絨毯。
休憩所の近くにニッコウキスゲが群生しています。
林の手前に群生するニッコウキスゲ。
ニッコウキスゲの群生の様子。
オニユリとニッコウキスゲ。
木道の途中には湿原の中に飛び出た場所があるので、湿原の中にいるような感じを楽しめます。
オニユリと流れ行く雲
二つのオニユリ
湿原をワイドに撮影
湿原で咲き誇るニッコウキスゲ
苔から生えた木の芽
これで北ドブ湿原の紹介は終わりです。
遊歩道のスタート地点に戻ります。
信州大学カヤノ平ブナ原生林教育園
帰りは東コースを通ってロッジ前(スタート地点)に戻ってきました。
スタート地点からはブナ原生林教育園にも行くことができるので、そちらの案内板の紹介です。
信州大学カヤノ平ブナ原生林教育園は上信越国立公園のカヤの平自然休養林にあり、多雪(2月林下積雪3.5m)の日本海型ブナ林生態系の教育と研究を目的としている。長野営林局のご好意の下に、標高1,460m〜1,495mの間、300〜400年の木が林立する5.7haの貴重な原生林に開園した。
(信州大学教育学部付属志賀自然教育研究施設カヤノ平分施設)
案内板の下には小さな水路がありました。
国有林からのお願い。
カヤの平
ロッジ付近には牧場があり、牛が放牧されていました。
味のある巨木が牧場地の中に点在しています。
高原ののどかな風景。
牛たちはかなり遠くの方で群れていました。